2022年2月より、開業・周年記念で運転された臨時列車を取り上げています。
※列車名の明記問わず
第22回目は、JR東日本の津軽線で運転された全線開通記念の臨時列車を取り上げます。津軽線の歴史は新しく、戦後に開通した鉄道線ですが、それまでのいちローカル線から大きく性格を変えるきっかけになったのは、1988年の青函トンネル開通でした。具体的にはJR北海道所属となる海峡線開業に伴い、青森〜新中小国信号場間(このとき新設)の交流電化が行われ、津軽線の一部ではありますが、日本の大動脈の一部を担うことになりました。
その後2016年には北海道新幹線開通にともなう2度目の変化が起きます。海峡線の通過する定期旅客列車が廃止、北海道と行き来する狭軌経由の列車は一部の臨時列車を除いて、もっぱら貨物列車のみが通過する線になっています。
ちなみに、終点の三厩駅ですが、開業当時は「みうまや」という読み方だったのが、1991年に「みんまや」に変更されるというプチ事件が発生します。この由来については、おいおい調査してみたいと思います。
最後に、このブログ執筆時点では、蟹田〜三厩間は2022年8月に発生した大雨による線路被害の影響で鉄道は運休、代行バスが運転されています。昨今の社会事情では復旧もそう簡単な話ではないようですが、鉄道ファンとしては、復旧に携わる方々への敬意を表するとともに一日も早い鉄道線の復活を祈念するばかりです。
<<2024年5月24日追記>>
津軽線沿線の自治体が鉄道復旧断念で意見がまとまったようですね。。鉄道の存在意義といった「べき論」から、JR、自治体のそれぞれが直面する「現実論」で未来を切り開いていく意思だと感じます。ここは議論の場ではございませんので、本件は筆者の備忘として書き残したまでです。
周年記念の概要
津軽線全通60周年記念
対象物 |
津軽線 |
所在地など | 青森〜三厩 55.8km |
歴史の起源(概要) |
1951年12月5日:国鉄が青森〜蟹田間を津軽線として開業 1958年10月21日:蟹田〜三厩間を延伸し全線開業・・・ここが起点 |
臨時列車の運行概要
快速 津軽線60周年記念号
運転区間 | 青森〜三厩 | |
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2018年10月21日のみ |
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使用車両・編成 |
HB-E300系2両編成 リゾートあすなろ編成 |
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列車番号、運転ダイヤなど |
9331D 青森発 9:18 → 三厩着10:50 9322D 三厩発14:55 → 青森着16:58 途中停車駅(青森起点):蓬田(よもぎた)、蟹田、津軽二股、今別 |
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備 考 |
全席指定席 プレスリリース:https://www.jreast.co.jp/morioka/press/pdf_1538115681m.pdf |
当時の時刻表紙面での臨時列車
2018年10月号の津軽線紙面より。前述の通り、津軽線経由の在来線経由の優等列車が多数存在した時代は終わり、時刻表で確認する限りは開業前に戻ったような印象。とはいえ蟹田までの電車列車が、津軽線の一部は引き続き貨物列車の通過する大幹線であることを匂わせています。
さて、60周年記念列車は1日のみ運転であり、三厩駅周辺で開催される関連イベントに合わせた往復ダイヤが組まれていた模様です。
JTB時刻表2018年10月号より
本日は以上です。
まとめページはこちらから
参考資料 JTB時刻表2018年10月号
参考サイト 津軽線、海峡線(ともにWikipedia)、JR東日本プレスリリース資料