1987年からTEEの後継としてはじまったユーロシティの歴史を振り返っていく企画を立ち上げました。ドイツから取り寄せた、Die EuroCity-Zuege - Teil 1 - 1987-1993: Europaeische Zuglegendenの翻訳を通じて、ユーロシティーの一端を知る、文字通り「備忘録」としたいと思います。

 

まとめの対象ですが、前述の書籍内では1987〜1993年の間に運転開始されたユーロシティを扱っており、その中の列車名ごとに歴史や仕様がまとめられているページとします。書籍の紹介順に倣って、27回目は、アンドレアス・ホーファーを取り上げます。

 

EC Andreas Hofer

(この写真が参考文献に掲載されているわけではありません)

 

(以下原文訳、一部表現、短縮名称等をブログ筆者で補足)

アンドレアス・ホーファー(1628年 または 1629年 から 1684年), ザルツブルクで作曲家、宮廷指揮者。アンドレアス・ホーファー(1767年~1810年)宿屋、馬とワインの商人。1809年のチロルの蜂起のリーダーとして、バイエルンとフランスによる祖国の占領に対する自由の闘士とされる。

 

1980年夏ダイヤから1990〜91年ダイヤにかけて、ウィーン西駅〜インスブルック中央駅間の国内急行列車にはアンドレアス・ホーファー号の愛称がついていた。1991年6月2日からは、NAT '91(註:Neuer Austro Takt=オーストリアのパターンダイヤコンセプト)の導入に伴い、EC22/23 ヨハン・シュトラウス号にそのダイヤの一部が引き継がれ、同時に、EC18/19 アンドレアス・ホーファー号はインスブルック〜ドルトムント間のユーロシティに格上げされた。IC118/119 カーヴェンデル号とは対照的に、インスブルック〜ミュンヘン間をクーフシュタイン経由で13km長い距離で運行され(それでも速い)、編成担当DBだった。

 

北行EC18は、チロル地方の首都インスブルック中央駅発7:39で、途中イェンバッハ、ヴェルグル、クーフシュタイン、ローゼンハイムで途中停車した後、ミュンヘン中央駅着9:30。ここから、ミュンヘン・パシング駅、アウグスブルク、ウルム、シュトゥットガルト中央駅、ハイデルベルク、マンハイム、マインツ、コブレンツ、ボン、ケルン、デュッセルドルフ、デュイスブルク、エッセン、ボーフム経由で、終着ドルトムント中央駅着16:48。移動時間は9時間9分で、移動距離947km、表定速度103 km/h という、19箇所の途中停車と2箇所の方向転換(註:おそらくミュンヘンとシュトゥットガルト)があったが、立派なパフォーマンスを発揮している。一方、EC19はドルトムント発12:11で、インスブルック着21:21。

 

1995年5月28日、EC18は1時間繰り下げたダイヤに設定されインスブルック発8:40となり、終着駅もドルトムント中央駅からミュンスター中央駅に変更。運行ルートもケルンからデュッセルドルフ、エッセン、ゲルゼンキルヘン、レックリングハウゼンを経てミュンスター中央駅に向かうルートとなる。このルート変更により、移動距離は34km増加(表定速度102.5km/h)。1998年からは移動時間が若干延び(EC18 インスブルック発8:37、ミュンスター着18:22)、1999年5月30日からは、(EC18は)再びドルトムント中央駅が始終着駅となる(EC18 インスブルック発8:37→ドルトムント着17:54、対向列車EC19 ドルトムント発12:04→インスブルック着21:22)。このダイヤは、のユーロシティ アンドレアス・ホーファー号の最終運行日2002年12月14日まで続いた。2003年ダイヤ改正(2002年12月15日施行)からは、ユーロシティ アンドレアス・ホーファー号はICE 108/109(インスブルック 〜ミュンヘン〜フランクフルト〜ベルリン)に置き換わった。

 

 

  編成例(書籍内イラストから)

1996年夏ダイヤ 

コンパートメント車(1等・2等)、オープン座席車(1等・2等)、

食堂車、途中での増解結なし。ドイツの車両のみ。

 

今回は以上です。

 

参考資料:

・Die EuroCity-Zuege - Teil 1 - 1987-1993: Europaeische Zuglegenden /Jean-Pierre Malaspina, Manfred Meyer, Martin Brandt

・Thomascook European Timetable/Thomascook

参考ページ:

Datenbank Fernverkehr (Database long-distance trains)

Harrys Bahnen

ページ内写真:Flickr(引用元は写真とセットで明記)