1987年からTEEの後継としてはじまったユーロシティの歴史を振り返っていく企画を立ち上げました。ドイツから取り寄せた、Die EuroCity-Zuege - Teil 1 - 1987-1993: Europaeische Zuglegendenの翻訳を通じて、ユーロシティーの一端を知る、文字通り「備忘録」としたいと思います。

 

まとめの対象ですが、前述の書籍内では1987〜1993年の間に運転開始されたユーロシティを扱っており、その中の列車名ごとに歴史や仕様がまとめられているページとします。書籍の紹介順に倣って、15回目は、ハーフェルラント号を取り上げます。

 
EC Havelland

見合う写真を見つけられ次第アップします

 

(以下原文訳、一部短縮名称等をブログ筆者で補足)

ハーフェルラント:ブランデンブルク州の歴史的景観

 

オットー・リリエンタール号の運行開始から1年後となる1992年5月31日(1992夏ダイヤ開始日)からベルリンとチューリッヒを結ぶ2番目のユーロシティ EC74/75 ハーフェルラント号が新設された。北行EC74はEC78 オットー・リリエンタール号の2時間に追うダイヤで、チューリッヒ中央駅発9:37→ベルリン東駅着20:23。対向南行EC75は、EC79 オットー・リリエンタール号の2時間先行するダイヤで、ベルリン発9:45→チューリッヒ中央駅着20:23。ユーロシティ/インターシティの運転頻度により、両列車の所要時間(EC74:10時間39分、EC75:10時間38分)、表定速度(103km/h)は往復とも同じ。客車はDB担当、牽引機関車については、チューリッヒ〜バーゼル間はSBB-Re 4/4 Il型電気機関車、バーゼル〜フランクフルト間はDB-103型電気機関車、フランクフルト〜ブラウンシュヴァイク間はDB-120型電気機関車、ブラウンシュヴァイク〜ベルリン間はDR-132型ディーゼル機関車)というラインナップ。

 

EC74/75は1992年9月26日に最後の運行を行い、ユーロシティ オットー・リリエンタール号と同じ理由で、たった1シーズンのダイヤで廃止。翌日からは同じ時刻表位置で運行されるICE 76/77 パンダ号に置き換わった。このため、ユーロシティの歴史上、最も短命な列車のひとつとなった。

 

 

  編成例(書籍内イラストから)

1992年夏ダイヤ 

コンパートメント車(1等・2等)、オープン座席車(1等・2等)

食堂車連結、途中での増解結なし。ドイツの車両のみ

 

今回は以上です。

 

参考資料:

・Die EuroCity-Zuege - Teil 1 - 1987-1993: Europaeische Zuglegenden /Jean-Pierre Malaspina, Manfred Meyer, Martin Brandt

・Thomascook European Timetable/Thomascook

参考ページ:

Datenbank Fernverkehr (Database long-distance trains)Harrys BahnenのYoutubeチャンネル

Harrys Bahnen

ページ内写真:Flickr(引用元は写真とセットで明記)