「日本のイベントと臨時列車(80、90年代)」をひたすら取り上げてみようという長期企画です。手元の時刻表はもとより、当時の鉄道ダイヤ情報やインターネット上の情報を参照しつつまとめてみました。
第18回目は、毎年5月上旬に岩手県平泉町で開催される、藤原まつりに関する臨時列車の運転履歴を追っていきます。藤原まつりは、春、秋と年2回実施されていますが、今回は春のみを対象としてまとめます。
お祭り、催事の概要
藤原まつり(春)
会 期 |
毎年5月1〜5日 |
会 場 | 平泉町内 |
お祭り、催事の概要 |
Wikipediaから引用(文中下線はブログ筆者によるもの)
*源義経公東下り行列(みなもとのよしつねこうあずまくだりぎょうれつ) |
臨時列車の運行概要
藤原まつり(春)関連の臨時列車(1980〜99年)
日本史好きの方には、列車名を見ただけで「なるほどねー」とうなずかれる方がおられると思いますが、当方日本史には明るくないため、人物の解説は割愛させていただき、あくまでも「列車名」として人物名を取り上げておりますこと、あらかじめお断りします。
春の藤原まつりの臨時列車は、1986年春まで遡れました。このお祭りが東北一円から集客をしていたことを物語るように、設定された臨時列車も、遠くは青森、福島、弘前、三陸地方と大変多様な運転区間を有した時期もあったようです。
とはいえ、一番主要な運転区間は、中尊寺、毛越寺のある平泉駅を起点として、最寄りの最大都市である一関(駅名は一ノ関)とのピストン輸送でした。
運転区間のみならず、使用された車両も多様だったのか、メーンのディーゼル列車をはじめとして、青森・福島との快速列車には機関車牽引の客車列車が起用され、仙台との接続には電車列車も運用に入っています。
そして、どうしても明記しておきたかったのが、列車名と運転区間が運転年度でコロコロ変わる(良く言えば柔軟なダイヤ)ことで、ダイヤを設定した背景や法則がわからず、まとめる際に時刻表とのにらめっこでやや疲れました。。また、秀衡、清衡、基衡、弁慶と、時刻表の極小文字級数をもってすると老眼には同じ字に見えてしまったのも苦しめられた要因のひとつでしたw
ハイライトとして、注目しておきたい列車を列挙しますと
・客車列車による長駆臨時列車 快速秀衡号、義経号(1987〜92)
・定期快速列車の延長運転による臨時列車 快速八幡平号、快速むろね号(1987,89)
・三陸エリアからの臨時列車(1987〜89)
となります。
【凡例、備考】
・全列車運転日:5月3日、使用車両は特記なしはディーゼル列車での運行
1980 |
当該月時刻表にて運行を確認できず(4月号) |
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1981 |
当該月時刻表にて運行を確認できず(4月号) |
1982 |
当該月時刻表にて運行を確認できず(4月号) |
1983 |
当該月時刻表にて運行を確認できず(4月号) |
1984 |
当該月時刻表にて運行を確認できず(4月号) |
1985 |
当該月時刻表にて運行を確認できず(4月号) |
1986 |
普通 ひでひら号 盛岡〜平泉 ※客車列車
普通 義経号 福島〜平泉 1往復 ※客車列車
普通 *列車名なし 花泉〜平泉 1往復、水沢→一ノ関 1本
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1987 |
快速 秀衡(ひでひら)号 八戸〜平泉 1往復 ※客車列車
快速 義経号 福島〜平泉 1往復 ※客車列車
快速 快速ひらいずみ号 盛岡→一ノ関 片道1本のみ ↑誤植ではなく列車種別とは別に列車名に快速がクレジットされています
快速 八幡平 ※定期列車の延長運転 9945D 一ノ関発 → 弘前着20:35 ※盛岡から定期列車
普通 義経伝説号 平泉〜釜石 1往復
普通 静(しずか)号 盛〜平泉 1往復
普通 弁慶号 【下り】一ノ関→平泉・前沢・水沢、花泉→水沢 合計8本 【上り】水沢・前沢・平泉→一ノ関、一ノ関→花泉、平泉→花泉 合計10本
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1988 |
快速 秀衡(ひでひら)号 青森→平泉、一ノ関→青森 ※客車列車
快速 ひらいずみ号 大曲→一ノ関 片道1本のみ 普通 ひらいずみ号 一ノ関→平泉 片道1本のみ
快速 北の方号 【下り】一ノ関→水沢・花巻、平泉→盛岡 合計3本 【上り】盛岡・水沢→一ノ関 合計2本
普通 義経号 福島〜平泉 1往復 ※客車列車
普通 義経伝説号 【下り】花泉→釜石 1本 【上り】宮古・釜石→平泉 合計2本
普通 静(しずか)号 盛〜平泉 下り(盛発)2本、上り 1本
普通 弁慶号 【下り】花泉→平泉、一ノ関→水沢、一ノ関→盛岡 合計5本 【上り】横手→一ノ関、平泉→花泉、盛岡→平泉(快速運転)、北上→一ノ関、水沢・平泉→一ノ関(快速運転) 合計7本
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1989 |
快速 秀衡(ひでひら)号 青森〜一ノ関 1往復 ※客車列車
快速 快速八幡平 ※盛岡〜弘前は定期列車 9928D 弘前発7:06 → 一ノ関着12:36 9935D 一ノ関発15:00 → 弘前着20:31 上記以外に、花泉→平泉 1本、前沢・平泉→一ノ関 3本 設定あり
快速 ひらいずみ号 盛岡〜一ノ関 1往復
快速 北の方号 【下り】一ノ関→花巻、一ノ関→前沢 合計2本 【上り】前沢→一ノ関、盛岡→一ノ関 合計2本
快速 むろね号 盛→平泉 片道1本のみ ※盛〜一ノ関は定期列車
普通 義経号 福島〜平泉 1往復 ※客車列車
普通 義経伝説号 花巻→平泉 1本、花巻〜有壁 1往復
普通 弁慶号 【下り】花泉→平泉・前沢・北上、一ノ関→前沢・盛岡 合計5本 【上り】北上→花泉、盛岡→平泉(快速運転)、六原・前沢・平泉→一ノ関 合計6本
普通 静(しずか)号 一ノ関〜花巻空港 1往復、一ノ関→平泉 1本
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1990 |
快速 秀衡(ひでひら)号 青森〜一ノ関 1往復 ※客車列車
普通 義経号 ※快速運転 福島〜平泉 1往復 ※客車列車
普通 義経伝説号 花巻〜平泉 1往復
普通 北の方号 【下り】一ノ関→前沢、一ノ関→花巻(快速運転)、平泉→盛岡 合計3本 【上り】盛岡→一ノ関、前沢→一ノ関 合計2本
普通 平泉号 盛岡〜一ノ関 1往復
普通 静(しずか)号 一ノ関→平泉 片道1本のみ
普通 弁慶号 【下り】花泉→平泉・前沢、一ノ関→平泉・盛岡 合計4本 【上り】盛岡→平泉(快速運転)、六原・前沢・平泉→一ノ関 合計6本
普通 清衡(きよひら)号 一ノ関→平泉 片道1本のみ
普通 基衡(もとひら)号 【下り】花泉→前沢、一ノ関→盛岡 合計2本 【上り】盛岡→花泉(快速運転)、平泉→一ノ関 合計2本
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1991 |
普通 秀衡(ひでひら)号 【下り】花泉→前沢、一ノ関→水沢・盛岡 合計3本 【上り】盛岡→平泉、水沢・前沢→一ノ関 合計3本
普通 義経号 ※快速運転 福島〜平泉 1往復 ※客車列車
普通 北の方号 仙台〜平泉 2往復 ※電車列車
普通 静(しずか)号 一ノ関→前沢 1本、平泉→一ノ関 1本
普通 弁慶号 【下り】一ノ関→花巻 1本 【上り】花巻→平泉・一ノ関 合計2本
普通 清衡(きよひら)号 一ノ関→盛岡 1本、北上→一ノ関 1本
普通 基衡(もとひら)号 【下り】一ノ関→水沢・北上 合計2本 【上り】盛岡・水沢→一ノ関 合計2本
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1992 |
普通 義経号 ※快速運転 福島〜平泉 1往復 ※客車列車
普通 北の方号 仙台〜平泉 3往復 ※電車列車
普通 静(しずか)号 一ノ関→平泉 片道1本のみ
普通 弁慶号 平泉→一ノ関 片道1本のみ
普通 清衡(きよひら)号 盛岡→一ノ関 片道1本のみ
普通 基衡(もとひら)号 【下り】花泉→前沢、一ノ関→水沢・盛岡 合計5本 【上り】盛岡→平泉・一ノ関、水沢・前沢→一ノ関 合計5本
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1993 |
普通 秀衡(ひでひら)号 一ノ関〜水沢・盛岡 合計2往復
普通 義経号 【下り】花泉→前沢、一ノ関→水沢・盛岡 合計3本 【上り】盛岡→平泉、水沢・前沢→一ノ関 合計3本
普通 北の方号 白石・仙台〜平泉 合計3往復 ※電車列車
普通 静(しずか)号 一ノ関→前沢 片道1本のみ
普通 弁慶号 平泉→一ノ関 片道1本のみ
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1994 |
普通 義経号 【下り】花泉→前沢、一ノ関→水沢・盛岡 合計3本 【上り】盛岡→平泉、水沢・前沢→一ノ関 合計3本
普通 静(しずか)号 一ノ関→前沢 片道1本のみ
普通 弁慶号 平泉→一ノ関 片道1本のみ
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1995 |
普通 義経号 【下り】花泉→前沢、一ノ関→水沢・盛岡 合計3本 【上り】盛岡→平泉、水沢・前沢→一ノ関 合計3本
普通 静(しずか)号 一ノ関→前沢 片道1本のみ
普通 弁慶号 一ノ関→盛岡 1本、平泉→一ノ関 1本
普通 ※列車名なしの電車列車 【下り】一ノ関→平泉・北上 合計3本 【上り】北上→平泉、北上・水沢→一ノ関 合計3本
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1996 |
当該月時刻表にて運行を確認できず(4月号) |
1997 |
当該月時刻表にて運行を確認できず(4月号) |
1998 |
普通 義経号 【下り】花泉→前沢・盛岡、一ノ関→水沢 合計3本 【上り】盛岡・前沢→一ノ関、水沢→花泉 合計3本
普通 静(しずか)号 一ノ関→前沢 片道1本のみ
普通 弁慶号 一ノ関→盛岡 1本、平泉→一ノ関 1本
普通 ※列車名なしの電車列車 【下り】一ノ関→平泉・水沢・北上 合計3本 【上り】北上→平泉、水沢・平泉→一ノ関 合計3本
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1999 |
普通 義経号 一ノ関→平泉 1本、北上→平泉、前沢→一ノ関 合計2本
普通 静(しずか)号 一ノ関→平泉 1本、水沢→平泉 1本
普通 弁慶号 【下り】花泉・一ノ関→前沢、一ノ関→盛岡 合計3本 【上り】北上→一ノ関、前沢→花泉 合計2本
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使用された車両について(推察含む)
■ディーゼル列車、電車列車
1980、90年代の藤原まつり臨の運用にはいった列車情報は、このブログを執筆している段階では入手できておりません。しかしながら、その当時の定期列車の間合い車両を運用に回したのだろうと推察します。いまでこそリゾート編成といったおしゃれな列車で運行されているのですが、ディーゼルでいえばキハ40系、58系が、電車列車でいえば初期は455系といった急行型が、後に701系近郊形が運用に入っていたのではと、あくまでも推察ですが、考えております。
■客車列車
こちらのサイトで、1991年の義経号の写真がアップロードされておりましたので、リンクを紹介します。写真からの情報だと、ED75 1039号機牽引の12系客車6両編成ですね。このスタイルで他の客車列車も運転されたと推察します。
話は逸れますが、この1039号機は2011年東日本大震災で津波被害で被災した機関車だったようです。
当時の時刻表紙面での臨時列車
1990年4月号付録ページから。人物由来の列車名が最大個数だった年のものです。これは東北本線下りの紙面ですが、3日開催される源義経公東下り行列が日中を通じて開催されるだけあって、平泉を挟んで一ノ関〜平泉を中心にして終日運転されています。祭りのピークが過ぎる時間なのか13時以降から盛岡・青森へ集中的に長駆の臨時列車が設定されています。
その他愛でる点は多々ありますが、快速快速秀衡号と列車名にも快速が含まれている、どんだけ俊足列車なんだと思わせる列車も存在しましたw。
JTB時刻表 1990年4月号より
本日は以上です。
まとめページはこちらから
参考資料 1980年〜1999年の交通公社時刻表、JTB時刻表、JR時刻表
参考ページ:藤原まつり(Wikipedia)