始発・終着が同じとなる「循環・環状で運転された臨時列車」を取り上げる企画。
環状、循環の厳密な定義は設けていませんが、同一駅に戻ってくるという点を軸に全国津々浦々で活躍した列車を、手元の時刻表から追ってみたいと思います。
26回目は、JR東海が、丹那トンネル開通60周年記念で運転した、丹那隧道60周年記念号を取り上げます。時刻表上では函南→沼津、沼津→国府津、国府津→沼津と3列車が存在しているように記載されていたのですが、実際は同一列車が使用され、新旧の東海道本線をめぐるロマンチックな臨時列車だったようです。
循環臨時列車の運行概要
丹那隧道(たんなずいどう、または、たんなすいどう)60周年記念号
起終点駅と経由線 | 始発 函南、終着 沼津 ※函南〜沼津間は重複区間 東海道本線→御殿場線→東海道本線 | |
| 1994年12月4日 のみ | |
使用車両・編成 | 14客車4両編成、両端にEF58機関車が連結され、プッシュプル運転 EF58については、当時JR東海が保有していた2両が導入され、東京方に157号機、名古屋方に122号機として運行された模様です。 | |
列車番号、運転ダイヤなど | 紙面上では、3列車個別に見えるが、同一車両で運行されています。
9553レ 函南発9:42 → 沼津着10:33 途中停車駅:三島(30分ちかく停車)
9654レ 沼津発11:03 → 国府津着13:05 途中停車駅:御殿場、山北、松田
9355レ 国府津発13:16 → 沼津着14:30 途中停車駅:熱海、函南、三島
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備 考 | 全車指定席(9355レ 熱海→沼津間は全席自由席) |
運行ルートを図示すると
始発が函南駅で、そこからぐるっと一周して、函南を通過し、沼津に戻ってくる運行ルート。このイベント列車がJR東海が主催したようですが、国府津→熱海間でJR東日本エリアを通過する形。この頃はまだ協力体制があったころなのでしょうね。なお、東海道本線と御殿場線が囲った部分には、有名な観光地、箱根エリアがひかえています。この箱根エリアから続く火山地帯を貫く形で丹那トンネルが建設されています。