始発・終着が同じとなる「循環・環状で運転された臨時列車」を取り上げる企画。
環状、循環の厳密な定義は設けていませんが、同一駅に戻ってくるという点を軸に全国津々浦々で活躍した列車を、手元の時刻表から追ってみたいと思います。
23回目は、JR東日本が首都圏と両毛線沿線を循環運転した、ぐるり両毛号を取り上げます。両毛線沿線への観光への便宜を図るために運行されたことはわかりましたが、運行の契機となったキャンペーンなどは特定できませんでした。「ぐるり両毛号」は1995年運行の名称で、品川または上野から時計回りに運転されていたもの。1996、97年は時計回り運行分を「ぐるり両毛前橋号」、反時計回り運行分を「ぐるり両毛栃木号」とそれぞれ名称がついていたことを付記しておきます。
循環臨時列車の運行概要
快速 ぐるり両毛号
起終点駅と経由線 | ① 品川 山手貨物線→東北本線→高崎線→両毛線→東北本線→山手貨物線 ② 上野 東北本線→→高崎線→両毛線→東北本線 |
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① 1995年5月3、5日 ② 1995年8月26、27日 、10月14、15日、11月3、5日 |
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使用車両・編成 |
165系6、8連 ※こちらのサイトを参考にしました ①では、アコモ改造車(4両)+メルヘン号(4両)編成が運用に入っていたようです。N's鉄道写真データベースに貴重な写真がアップされています |
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列車番号、運転ダイヤなど |
「 」は1日に2度停車する駅 ①の運転日 品川発7:13 → 栃木着11:58 (9533M 品川→大宮、9855M 大宮→高崎、9453M 高崎→栃木) 途中停車駅:新宿、池袋、赤羽、大宮、上尾、桶川、鴻巣、熊谷、深谷、本庄、新町、高崎、新前橋、前橋、伊勢崎、桐生、足利、佐野
桐生発15:32 → 品川着18:34 (9455M 桐生→小山、9534M 小山→品川) 途中停車駅:足利、佐野、栃木、小山、古河、蓮田、大宮、赤羽、池袋、新宿
②の運転日 上野発8:04 → 栃木着11:22 ※8月は11:58着 (9855M 上野→高崎、9453M 高崎→栃木) 途中停車駅:赤羽、大宮、上尾、桶川、鴻巣、熊谷、深谷、本庄、新町、高崎、新前橋、前橋、伊勢崎、桐生、足利、佐野
前橋発16:12 → 上野着18:53 (9455M 前橋→小山、9534M 小山→上野) 途中停車駅:伊勢崎、桐生、足利、佐野、栃木、小山、古河、蓮田、大宮、赤羽
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備 考 |
指定席あり。なお、①と②の8月のみ、桐生〜栃木間全席自由席 |
快速 ぐるり両毛前橋号
起終点駅と経由線 | 上野 東北本線→高崎線→両毛線→東北本線 | |
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1996年5月4、6日、9月16、23日、11月3、4日 1997年5月4日のみ |
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使用車両・編成 |
165系6連(モントレー色) ※こちらのサイトを参考にしました |
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列車番号、運転ダイヤなど |
「 」は1日に2度停車する駅 上野発7:47 → 栃木着11:04 (9855M 上野→高崎、9453M 高崎→栃木) 途中停車駅:赤羽、大宮、上尾、桶川、鴻巣、熊谷、深谷、本庄、新町、高崎、新前橋、前橋、伊勢崎、桐生、足利、佐野
前橋発13:54 → 上野着16:47 ※1996年9月以降は16:46 (9455M 前橋→小山、9534M 小山→上野) 途中停車駅:伊勢崎、桐生、足利、佐野、栃木、小山、古河、蓮田、大宮、赤羽 |
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備 考 |
指定席あり |
快速 ぐるり両毛栃木号
起終点駅と経由線 | 上野 東北本線→両毛線→高崎線→東北本線 | |
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1996年9月15、22日、11月16、17日 1997年5月3日のみ |
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使用車両・編成 |
165系6連(モントレー色) ※こちらのサイトを参考にしました |
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列車番号、運転ダイヤなど |
「 」は1日に2度停車する駅 上野発7:47 → 前橋着10:24 ※1997年は10:25 (9533M 上野→小山、9452M 小山→前橋) 途中停車駅:赤羽、大宮、蓮田、古河、小山、栃木、佐野、富田(一部日程)、足利、桐生、伊勢崎
栃木発13:34 → 上野着16:47 (9454M 栃木→高崎、9856M 高崎→上野) 途中停車駅:佐野、足利、桐生、伊勢崎、前橋、新前橋、高崎、新町、本庄、深谷、熊谷、鴻巣、桶川、上尾、大宮、赤羽
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備 考 |
指定席あり |
太郎三毛猫さまのYoutubeチャンネルから、ぐるり両毛栃木号の映像を貼らせていただきました。1997年5月撮影ということです。新前橋区のモントレー色の165系6連が運用に入っています。
太郎三毛猫さまのYoutubeチャンネルより
運行ルートを図示すると
ブログ筆者の手書きマップで失礼します。品川発着はわずか1日ながら、インパクトがあるため、しっかり記載させていただきました。品川、上野ともに東北本線、高崎線を経由して両毛線に向かうのはどの年度も変わらないスタイルです。前述の運転年表から、1996、97年について、ダイヤ密集区間の限られた臨時列車スジを活用するため、時計回り、反時計回りと異なる運転経路でも、上野駅発着時間は揃っている点、担当者が腐心された結果だなと推察するところです。
当時の時刻表紙面での臨時列車
1995年3月号時刻表より。この当時は付録ページにのみ掲載されていました。その理由の一つとして、当時湘南新宿ラインが開通していない時期で、品川発山手貨物線経由の列車時刻を掲載するすべがなかったからではと推察します。前述の通り、品川発着だったのは、私が確認する限り、この5月3日のみのようです。
JTB時刻表 1995年3月号より
本日は以上です。
まとめページはこちらから
参考資料:1995〜97年のJTB時刻表
参考サイト:太郎三毛猫さまのYoutubeチャンネル、N's鉄道写真データベースさまサイト