始発・終着が同じとなる「循環・環状で運転された臨時列車」を取り上げる企画。

環状、循環の厳密な定義は設けていませんが、同一駅に戻ってくるという点を軸に全国津々浦々で活躍した列車を、手元の時刻表から追ってみたいと思います。

 

21回目は、JR東日本で運転された、越後・信州ぐるり一周号を取り上げます。列車名から察することができる観光列車でありますが、過去にもあまたある新潟発着の循環形ルートの臨時列車の中で、この列車は珍しく、飯山線経由であり、かつ途中区間の観光がしやすいように、一部区間逆方向で運転し、一度は通過した駅で同一列車に乗車できるダイヤ(蜃気楼ダイヤって呼んでいる方もいます)で運転されたようです。

 

 

  循環臨時列車の運行概要 

 

快速 越後・信州ぐるり一周号

起終点駅と経由線 新潟 信越本線→上越線→飯山線→信越本線→(長野)→信越本線
運転日
(始発駅基準)

2012年7月21、22日

21日は新潟→戸狩野沢温泉、22日は戸狩野沢温泉→新潟

使用車両・編成

キハ47 3連 

(キハ47 514+キハ47 189+キハ47 515)

列車番号、運転ダイヤなど

21日 

9732D(9132D) 新潟発7:34→戸狩野沢温泉着11:57

9142D 戸狩野沢温泉発16:53→長野着18:28

(新潟→十日町→戸狩野沢温泉→十日町→戸狩野沢温泉→長野)

重複運転について時刻表では「十日町・津南・戸狩野沢温泉にて下車観光後、再びご乗車になれます」の注記あり

 

22日 

9341D 長野発9:36→直江津着11:42

9347D 直江津発14:54→新潟着17:27

(長野→妙高高原→直江津→妙高高原→直江津→新潟)

重複運転について時刻表では「妙高高原・新井・高田・直江津にて下車観光後、再びご乗車になれます」の注記あり

 

備 考

・全車指定席(3連のうち、2両が指定席、1両はフリースペース)

 

この列車について詳細なレポートを、下記サイトでなされておりましたので、共有させていただきます。この列車の運用に入ったのは言わずもがな国鉄近郊形気動車の雄、キハ40系47形でした。国鉄色(朱色5号)と新潟色で構成された3連。流石に話題の列車だったようで、インターネット上で情報を容易に収集できましたw

 

また、上記レポート以外にも送り込み回送ながら、この列車の動画が上がっておりました。

湘南あずき様Youtubeサイトより

 

 

  運行ルートを図示すると

各種サイトから収集した情報で書き起こし運行ルートです。1日目新潟→長野、2日目長野→新潟という行程内で、乗客の観光便宜を図った「区間重複運転」が、1日目は十日町〜戸狩野沢温泉間、2日目は妙高高原〜直江津間で行われていました。なお図内で「回送?」記載したのは、客扱いや回送の実態が不明なためです。

 
 

  当時の時刻表紙面での臨時列車

当時の時刻表から、複雑な運転をしているのですが、時刻表紙面は一見淡々とダイヤが並んでいます。注釈に注目すると、一度途中下車しても「下車観光後、再びご乗車になれます」と、意味深なコメントがあり、これがネットで報告されていた「重複運転」の結果なのだとわかりました。同時に重複区間の「2回目運転」のダイヤはここには掲載されていないのも、何らかの配慮があってなのかなと推察しています。

JTB時刻表2012年7月号より

 

本日は以上です。

 

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参考サイト JTB時刻表2012年7月号、湘南あずき様Youtubeサイト、ガタゴト日誌様サイト、鉄道コム