2022年9月8日配信のInternational Railway Journalの記事「Passenger services restart on the right bank of the Rhône」から、ローカル輸送ながら、注目すべき記事が発表されました。

 

今回の記事ですが、フランス南部、ローヌ川沿いの線路で旅客サービスが「再開」された件。1973年以来貨物専用線となっていた、ローヌ川右岸のアヴィニョン(Avignon)とポン・サン・エスプリ(Pont-Saint-Esprit)間、82kmの旅客サービス開業セレモニーが8月28日に行われました。

 

再開後のダイヤですが、アヴィニョン - ポン・サン・エスプリ間を結ぶ列車は毎日5往復あり、所要時間は30分。ERT2022年秋号の紙面(Table 357)をクリッピングしてみたのが下記リンクです。一見5往復以上の記載があるのは、平日のみ運転、週末のみ運転列車の記載も混在している結果です。

 

 

一時は貨物専用線となった路線の「復活」の理由は不明ながら、旅客サービスが有効であるという判断がなされたことは、鉄道ファンならず、鉄道復権による街づくりをデザインするグループにとって朗報かと思います。実際、第一段階は5年がかりで、途中駅の再開と改良、踏切の改良が行われ、地域が全額負担しています。

 

今回再開となる区間を図示してみました。地図内「 紫線 」がその当該箇所です。地図の発行が2020年8月ですが、その時点でもこの路線の再開を示唆するコメントが地図右上が確認できます。

M.G.Ball編 European Railway Atlas Enthusiast Edition より

 

今回再開された同線で導入されるのは、記事内の写真から判断したところ、Z27500形交直流電車のようです。これは3〜4両で1ユニットを組む電車列車です。

 

この路線は、自動車よりも速い所要時間を提供し、接続するバス網の変更にも対応するため、地域は年間20万人の利用を見込んでいるようで、利用促進のため開通後1ヶ月間は1ユーロのキャンペーン運賃が適用、その後も長期的には低運賃を維持することを目指しているとのこと。地域の足として定着するには息の長い支援が必要であることは、日本の現状を見る限り痛感するところです。

 

今回再開したアヴィニョン - ポン・サン・エスプリ間の再開通プロジェクトは、2段階に分けて実施されており、今回の「第一段階」に加え、2026年に完成予定の第2期工事では、6つの駅が追加される予定で、工事完成のあかつきには片道1日8往復まで増便の可能性もあるようです。

 

本日は以上です。

 

 
 
 

↓フランス国鉄ももちろん、欧州鉄道ののりかたがまとまっているのはこの本!

 

 

 

参考文献:M.G.Ball編 European Railway Atlas Enthusiast Edition

参考サイト:International Railway Journal 2022年9月8日記事「Passenger services restart on the right bank of the Rhône」、European Rail Timetable 2022 Autumn

写真:Frickr Pierre Joris より