新たなテーマ「循環・環状で運転された臨時列車」について執筆を開始しました。

 

要は、始発・終着が同じとなる列車を取り上げようという企画。

環状、循環の厳密な定義は設けていませんが、同一駅に戻ってくるという点を軸に全国津々浦々で活躍した列車を、手元の時刻表から追ってみたいと思います。

 

4回目は、静岡県にかつて存在した二俣線の廃止にともない運転されたさよなら列車、二俣線さよなら一周号を取り上げます。この二俣線は、1987(昭和62)年3月14日付けで廃止され、翌15日から第三セクター鉄道天竜浜名湖鉄道として開業し、2022年現在も営業中です。

 

なお時刻表紙面で確認できた以外に、たまたま保有していた「鉄道ダイヤ情報1987年3月号」をくくると、これ以外にも一周列車が存在していたようです。おそらく団体列車だと思いますが、ダイヤ情報に記載された情報を元に、その列車情報も入れ込むことにします。

 

  循環臨時列車の運行概要 

 

二俣線さよなら一周号

起終点駅と経由線 豊橋 東海道本線→(掛川)→二俣線→(新所原)→東海道本線
運転日  1987年3月1、8、14日 
使用車両・編成

キハ20形ディーゼル列車3連 ※こちらのサイトを参考にしました(半田の吉田のblogより)

列車番号など 豊橋発8:45 → 豊橋着15:58
途中停車駅 各駅停車
列車番号の遷移 9424D 豊橋→掛川、9633D 掛川→(二俣線)→豊橋
備 考 市販の時刻表で確認できた唯一の二俣線さよなら列車。途中、遠江二俣で2時間程度の長時間停車あり

 

 

サヨナラ二俣線号 ※団体列車の可能性あり

起終点駅と経由線 静岡 東海道本線→(掛川)→二俣線→(新所原)→東海道本線→(豊橋;折返し)→東海道本線
運転日  1987年3月8日 ※この日のみ運転
使用車両・編成

キハ20形ディーゼル列車3連

列車番号など 静岡発8:00 → 静岡着17:53
途中停車駅 ※詳細不明
列車番号の遷移 9435D 静岡→掛川、9629D 掛川→金指、9631D 金指→豊橋、9484D 豊橋→静岡
備 考 鉄道ダイヤ情報のDJレイルカレンダーに記載された運転情報を参考にした

 

この列車については、Youtubeにで動画が公開されておりましたので、共有させていただきます。

 

 

さよなら二俣線おわかれ号 ※団体列車の可能性あり

起終点駅と経由線 掛川 ※終着は沼津
運転日  1987年3月14日 
使用車両・編成

14系客車(座席車)6連 

※牽引機は二俣線内DE10、東海道線内はEF58-122号機

列車番号など 掛川発9:08 →(掛川経由)沼津着16:24
途中停車駅 ※詳細不明
列車番号の遷移 9423レ 掛川→新所原、9634レ 新所原→遠江二俣、9446レ 遠江二俣→(掛川)→沼津
備 考 鉄道ダイヤ情報のDJレイルカレンダーに記載された運転情報を参考にした。
なお、3月15日にも同名の列車が運行されたが、運転区間が沼津→豊橋で、天竜浜名湖鉄道未経由の列車だったので掲載割愛。
 
 

二俣線日帰り旅行列車 ※団体列車の可能性あり

起終点駅と経由線 掛川 ※ただし始発は菊川
東海道本線→(新所原)→二俣線
運転日  1987年3月1、8日 
使用車両・編成

14系客車(座席車)6連 ※牽引機は全行程DE10

列車番号など 菊川発9:06、掛川発9:15 → 掛川着17:34
途中停車駅 ※詳細不明
列車番号の遷移 9423レ 菊川→新所原(東海道線)、9636レ 新所原→掛川(二俣線)
備 考 鉄道ダイヤ情報のDJレイルカレンダーに記載された運転情報を参考にした
 

 

  運行ルートを図示すると

 

これが図示した運行ルートですが、豊橋から東海道本線(浜松、磐田など)を経由し、掛川で折り返し。そこから二俣線に入る「反時計回り」のルートで運行されました。

国鉄監修交通公社の時刻表 1987年3月号索引地図より、地図内赤線はブログ筆者が追加

 
 

  当時の時刻表紙面での臨時列車

 

こちらは、二俣線のさよなら列車で、唯一市販の時刻表で確認できた「二俣線さよなら一周号」です。この列車はキハ20形で運転されたようですが、日常的には新所原から豊橋までは乗り入れしていたものの、新所原から掛川間の東海道本線でディーゼル列車が運行は定期運転ではなく「レアもの」でしたので、このページを取り上げてみました。

国鉄監修交通公社の時刻表 1987年3月号より

 

本日は以上です。

 

まとめページはこちらから

 

参考資料 交通公社の時刻表1987年3月号、鉄道ダイヤ情報1987年3月号(No.35)