Trans Europ Express(TEE)を、当時のトーマス・クック鉄道時刻表の紙面から振り返る企画です。
54回目は、イタリア国内TEEのキクヌス(Cycnus)号です。すでに紹介したTEEリーグレ号(ミラノ〜アヴィニヨン)と同じ区間を走行する列車で、時間帯で各方向が「対」となるようにダイヤが設定されていました(例:ミラノ発は朝はリーグレ号、夜はキクヌス号)。その設定された時間帯の影響か、TEEとしてのキクヌス号は短命で、登場から5年弱で2等車併結のインターシティに格下げされています。
列車名の由来は?
運行されていた国 イタリア
運転時期と区間
1973年9月30日 〜 1978年5月27日
ミラノ中央駅 ー ヴェンティミリア
インターシティに格下げ
使用された車両、編成
客車
グランコンフォルト型客車(国内向け)
イタリア国鉄の国内線向けグランコンフォルト車両が運用に入っていました。
編成両数は基本8連、金曜日のみ3両増結の11連で運行され、編成内容はミラノから順に食堂車(WR)1両+オープン座席車(Ap)1両+コンパートメント車(A)5両+金曜日のみ増結のコンパートメント(A)3両+荷物・電源車(Ds)1両で運行されたようです。
※金曜日のコンパートメント車増結3両は、75〜76年冬ダイヤでは行われなくなりました(=金曜日も8連)。
食堂車連結はミラノ→ヴェンティミリアの全区間と、ヴェンティミリア→ジェノヴァという「アンバランス」な営業区間となりましたが、朝食の時間など加味した結果のようで、キクヌス号から切り離された食堂車は、ジェノバ→ミラノ間で他の列車に併結され「昼食営業」を行うという効率的な運用がなされていました。
牽引機
E444型直流電気機関車
「かめ」の愛称が付けられていました。
実際の時刻表紙面
すでに取り上げたTEE列車の一覧ページです。こちらもご参考ください!
参考資料:
・Cook Continental Timetable、Thomascook International Timetable
・Das Grosse TEE-Buch 40 Jahre Trans-Europ-Express /Jörg Hajt/HEEL 1997年
・TEE, la légende des Trans-Europ-Express : entre luxe et grande vitesse/Maurice Mertens、Jean-Pierre Malaspina/LR PRESSE 2007
・Die Geschhichte Des Trans Europe Express /Maurice Mertens、Jean-Pierre Malaspina 2009
参考サイト:TEE、Cycnus(train)(ともにWikipedia)
ページ内写真:Flickr の各リンク