新たなテーマ「循環・環状で運転された臨時列車」について執筆を開始しました。

 

要は、始発・終着が同じとなる列車を取り上げようという企画。

環状、循環の厳密な定義は設けていませんが、同一駅に戻ってくるという点を軸に全国津々浦々で活躍した列車を、手元の時刻表から追ってみたいと思います。

 

3回目はJR東日本の福島・山形エリアで運転されたスイッチバックYOU・誘・遊号を取り上げます。列車名から察しがつく通り、かつて奥羽本線福島〜山形間に存在したスイッチバック駅をめぐるイベント列車だったようです。

 

ちなみに、この列車は1989年と1990年と2年運転されていますが、循環運転だったのは初年度の1989年のみ。1990年は山寺→山形→福島というルートで運行されています。

 

それにしてもこの列車のネーミング、同じ音の言葉を並べてポップな感じに仕上げる「昭和〜平成」ならでわですね。懐かしさ全開です。

 

 

  循環臨時列車の運行概要 

 

スイッチバックYOU・誘・遊号

起終点駅と経由線 福島 奥羽本線→仙山線→東北本線 ※片道のみ
運転日  1989年7月31日 〜 8月3日
使用車両・編成

455系急行型電車 3連 ※こちらのサイトを参照しました。

列車番号など 福島発9:28 → 福島着17:34
途中停車駅(福島起点)笹木野、庭坂、赤岩、板谷、峠、大沢、米沢、赤湯、上ノ山、山形、山寺、作並、愛子、陸前落合、国見、北山、北仙台、東照宮、仙台、岩沼、大河原、白石、藤田、桑折、伊達、東福島
列車番号の遷移 9427M 福島→山形、9828M 山形→山寺、9834M 山寺→仙台、9542M 仙台→福島
備 考 山寺では3時間以上の停車
 

 

  運行ルートを図示すると

図の中央、左側に福島があります。そこから時計回りに、奥羽本線→仙山線→東北本線とめぐるルート。ちなみにこのルートの中央にはスキー、温泉で有名な蔵王連山があります。

 

 

当時に雰囲気を感じるために、1988年に愛好家の方が撮影されたスイッチバック区間の動画をシェアさせてください。客車列車が当たり前の時代でしたね。今は山形新幹線が通る線路に変わってしまいました。

 

 

  当時の時刻表紙面での臨時列車

奥羽本線下り紙面より。

スイッチバックが存在したのは、赤岩、板谷、峠、大沢の4駅。そうそう、峠駅では「峠の力餅」ってのがホームで売ってましたよね(写真で見ただけですがw)。そんな板谷峠にある駅を丁寧に停車しつつ、羽前千歳から仙山線に入るルートで運行されました。

 

 

仙山線紙面より。山寺到着は11:37で、出発は15:00と3時間強の停車を行い、松尾芭蕉の俳句で有名な立石寺(りっしゃくじ)の観光も充分できるダイヤで設定されています。愛子(あやし)以降は各駅停車になっているのは、定期列車(1842M)のスジをそのまま利用した結果。

本日は以上です。

 

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参考資料 JTB時刻表1989年8月号