私の故郷、九州でかつて存在していた国鉄線について、廃線間際の時刻表を中心に取り上げ、振り返ろうという企画をやっています。

 

14回目は、宮之城線に引き続き、宮之城線終点の薩摩大口駅で接続をしていた山野線を取り上げます。

 

周辺に存在する金鉱山開発のために軽便鉄道としてスタートし、その後山野東線、山野西線となり、有名なループ線のある久木野〜薩摩布計間が1937年に開業することで全通する、というのが略歴の一部です。その後民営化後1年足らずで廃線となっております。

 

 

山野線 路線概要 

 

線 名 山野(やまの)線
距 離 55.7 km
区 間 水俣〜栗野間
開業日/会社/開業区間 1921(大正10)年9月11日/山野軽便線/栗野〜山野
全線開業日/会社 1937(昭和12)年12月12日/官設鉄道
貨物取扱 あり ※1986年11月1日で貨物取扱廃止
廃止日 1988(昭和63)年2月1日
廃止理由 特定地方交通線第二次対象線として承認されたため
運行された旅客列車 SL+PC、DC
※無煙化達成 1974(昭和49)年12月16日。これは薩摩大口〜吉松間貨物列車のDL化によるもの。C56、C12形SLをDD16形に置き換え

 

 

 

時刻表 (昭和61年11月1日改正) 

 

廃線間際のダイヤです。両端の接続駅ですが、水俣では鹿児島本線から、栗野では肥薩線と接続し、それぞれ、水俣から出水、栗野から吉松、または隼人・西鹿児島へ他線乗り入れを行っていました。熊本と鹿児島の県境は久木野〜薩摩布計となりますが、運転系統は県境ではなく、運輸上の中心地である薩摩大口でで分かれていました。個人的には423D(出水→隼人)という、所要時間では約4時間のロングラン運用が気になります。

【水俣→栗野】

【凡例】◆山野〜薩摩大口間は休日運休、「 」は対向列車との離合があった時刻と地点を指す

駅名の読み方、上から、みなまた、ひがしみなまた、ひごふかがわ、ふかわたぜ、くぎの、さつまふけ、にしやまの、やまの、こおりやまはちまん、さつまおおくち、ひしかり、まえめ、ゆのお、いなばざき、くりの

 

【栗野→水俣】

【凡例】◆山野〜薩摩大口間は休日運休、◎は全区間休日運休、「 」は対向列車との離合があった時刻と地点を指す

 

 

当時を偲ぶ動画(ブログ筆者が選びました) 

 

NHKアーカイブで山野線を取り上げています。タラコ色の国鉄形気動車が多数登場します。映像の後半では、さよなら列車と思われるシーンも登場します。

 

 

廃線の跡をたどった動画(ブログ筆者が選びました) 

 

熊本・鹿児島県境に存在したループ線、大川ループをドローン撮影しているという、ちょっと興味の湧く動画でしたので紹介します。ループ線上を空撮していることはもちろんのこと、画像内で廃線跡をトレースしてくれていますので、立体的にこの路線を理解することができます。

 

 

当時の駅はここにありました(Powerd By Googleマップ) 

 

前述にひきつづき、大川ループです。写真ではマークされているのはループ線の中央部だと推察します。標高としては地図の左から右にかけて高くなっていきます。マーク部から半径160〜200mで弧を描くルート。時計目盛りでいえば12時から3時くらいの部分がトンネルだったようです。言葉では説明に限界がありますね。ご興味ある方は別途ググってくださいw。

今回は以上です。

 

 

 

参考資料 日本鉄道旅行地図帳 12号九州沖縄 新潮社、時刻表、国鉄の車両18 九州各線 保育社

参考サイト 山野線(Wikipedia)、動画 Youtube、地図 Googleマップ