2022年前半、「日本の博覧会関連の臨時列車」を取り上げます。
今回の注目ポイントとしては、
・博覧会会場が埋立地や大都市郊外となったケースが大半でしたので、どの駅が「会場最寄り駅」として設定され、臨時ダイヤが組まれたのか。
・どのような車両が投入されたのか
を、時刻表紙面から追える情報で構成していきます。
第7回目は、1989年に愛知県名古屋市内で開催された「世界デザイン博」の臨時「ダイヤ」を取り上げます。
博覧会の概要
会 期 | 1989年 7月15日 〜 11月26日 |
来場実績 | 1518万人 ※Wikipediaより |
会 場 | 白鳥会場、名古屋城会場、名古屋港会場 |
時刻表のグラビアページで紹介された世界デザイン博覧会。マスコットキャラクターは「デポ」。何をモチーフにしたキャラクターだったんでしょうか???
JTB時刻表 1989年6月号より
下記は世界デザイン博にあわせて開業した金山総合駅についてのおしらせ。3会場へは金山駅からの市営地下鉄名港線、名城線に乗ることで最寄駅にアクセスできる位置関係にありました。
JTB時刻表 1989年6月号より
臨時停車・延長運転の概要
このデザイン博のために増発された臨時列車は確認できませんでしたが、下記の通り名古屋発着の一部の特急、急行列車が、金山駅まで延長運転、または臨時停車するダイヤが実施されました。
下記は1989年6月号の付録ページより。この時刻表発行時点では金山駅は未開業。同年7月9日に名鉄・市営地下鉄・JRの総合ターミナルとして開業します。
JTB時刻表 1989年6月号より
金山駅まで延長運転した列車
名古屋〜金山間の延長運転期間 7月15日〜11月26日 ※期間中毎日
【各地→金山】
種別 | 列車名 | 始発駅と時刻 | 金山着 |
L特急 | しらさぎ2号 | 富山発5:30 | 9:32 |
特急 | ひだ2号 | 高山発7:07 | 10:08 |
L特急 | しらさぎ4号 | 富山発7:00 | 10:55 |
特急 | ひだ4号 | 高山発8:30 | 11:24 |
【金山→各地】
種別 | 列車名 | 金山発 | 終着駅と時刻 |
L特急 | しらさぎ11号 | 16:03 | 富山着19:51 |
急行 | のりくら5号 | 16:33 | 高山着19:56 |
L特急 | しらさぎ13号 | 18:04 | 富山着21:56 |
特急 | ひだ9号 | 19:04 | 高山着22:06 |
金山駅に臨時停車した列車
名古屋発 ※長野行 |
しなの29号 金山発18:04 | しなの31号 金山発19:04 |
長野発 ※名古屋行 |
しなの2号 金山発9:12 | しなの4号 金山発11:22 |
当時の時刻表紙面での臨時列車
下記は1989年9月号の紙面より。このときには金山駅開業後のため、東海道本線の紙面で延長運転が確認できます。ちなみに特急ひだ号はキハ85「ワイドビュー」は投入され始めた時代で、まだまだキハ80系(82形)がメインで活躍していた時代です。ひだ2号もキハ80系(82形)でした。
JTB時刻表 1989年9月号より
こちらはしなの号の金山駅臨時停車。現在も朝夕のしなの号の一部に金山停車が残っていますね。
JTB時刻表 1989年9月号より
本日は以上です。
まとめページはこちらから
参考資料:JTB時刻表1989年5月号、9月号
参考ページ 博覧会、世界デザイン博覧会(ともにWikipedia)