2022年前半、「日本の博覧会関連の臨時列車」を取り上げます。

 

今回の注目ポイントとしては、

・博覧会会場が埋立地や大都市郊外となったケースが大半でしたので、どの駅が「会場最寄り駅」として設定され、臨時ダイヤが組まれたのか。

・どのような車両が投入されたのか

を、時刻表紙面から追える情報で構成していきます。

 

第6回目は、静岡県静岡市で1989年に開催された「SUNPU博'89」の臨時列車を取り上げます。

 

 

  博覧会の概要

博覧会については、Wikipediaにて詳細がまとまっています。

 
会期 1989年3月18日 〜 5月21日
来場実績 不明
会場 駿府公園(駿府城跡)(最寄駅:JR静岡駅、静鉄新静岡駅)

 

当時の時刻表お知らせページでも下記の通り紹介されています。明治21年に定められた法律で「市制および町村制」が施行されて100年を向かえた市で一斉に博覧会が行われた年でした。

JTB時刻表 1989年5月号より

 

この博覧会の公式マスコットは「スンピー」と呼ばれたそうですが、画像を探したら木像人形の販売サイトがありました。ご心配なく、これはアフィリエイトリンクではございませんので、気に入りましたらお求めくださいw。

 

 

  臨時列車の運行概要

快速 スンピーライナー号

運転区間 三島〜静岡、浜松〜静岡 各1往復
運転時期 会期中の土・休日と4月29日〜5月7日の毎日
使用車両・編成 定期列車と共通運用と推察
運行ダイヤ

・三島発着

9551M 三島発8:33 → 静岡着9:38

9554M 静岡発16:22 → 三島着17:38

途中停車駅(三島起点)沼津、片浜、原、東田子の浦、吉原、富士

 

・浜松発着

9552M 浜松発8:42 → 静岡着9:55

9553M 静岡発16:36 → 浜松着17:51

途中停車駅(浜松起点)天竜川、磐田(いわた)、袋井、掛川、菊川、金谷

 

備考:前述の通り、スンピーとは、マスコットキャラクターの名前です。ダイヤの特徴ですが、静岡駅近郊の駅は完全に通過し、静岡県東部、西部と中核都市(浜松、沼津が代表)からの利用者向けに設定された臨時列車でした。熱海〜静岡〜浜松は沿線市町村との利害関係からか、都市間の定期快速列車の設定がない区間で有名ですが、そんな中、富士〜静岡間、または金谷〜静岡間ノンストップはなかなかのインパクトだったと思いますし、誤乗もそれなりに発生したのではと邪推します。

 

 

  当時の時刻表紙面での臨時列車

下記は三島発の臨時列車の掲載紙面。三島〜富士間は「各駅停車」となり、富士以降で一気に静岡に向かう、静岡東部エリアの利用客向けであるのが一目瞭然でした。紙面はありませんが、静岡西部エリアからの列車も同様に浜松〜金谷間を各駅停車後、静岡に直行するダイヤでした。

 

余談ですが、紙面を眺めていると東京発静岡行の普通列車、急行東海号など、今となれば懐かしい列車の活躍も垣間見ることができます。

JTB時刻表 1989年8月号より

 

本日は以上です。

 

まとめページはこちらから。

 

参考資料:JTB時刻表1989年5月号

参考ページ 博覧会、SUNPU博'89、東海道線 (静岡地区)(ともにWikipedia)