時刻表紙面から確認できる国鉄(JR)⇔私鉄線の乗り入れがあった記録を残しております。現在も現役路線もさることながら、すでに廃止された地方私鉄への乗り入れを優先して取り上げてゆこうと思います。

 

今回は21回目、北海道の札幌郊外に存在していた定山渓鉄道線を取り上げます。

 

  定山渓鉄道線

定山渓鉄道線については、Wikipediaページが参考になります。

1918年に開業、1929年に電化が完成した、総延長27Kmの定山渓鉄道(以下、定鉄)ですが、1931年から当時の北海道鉄道の苗穂駅 - 東札幌駅間を直流1,500 Vで電化した上で直通運転を開始していたそうです。

 その後、北海道鉄道は国に買収され、千歳線と名乗るようになってからは国鉄とのダイヤ調整などが難しい状況になり、結局苗穂駅への乗り入れを廃止した、というのが乗り入れの第1期の話。

 乗り入れ第2期では、1957年8月からディーゼル列車による札幌駅への直通運転を開始。定鉄線内は自社電車とディーゼルカーが併結される編成が見られたようですが、1969年9月30日を持って廃止され、同時に乗り入れ列車も途絶えています。

 

今回は手元の資料の関係で、乗り入れ第2期のディーゼルカー乗り入れ時代を追ってみます。

 

乗り入れに使われたディーゼル列車については、定鉄のディーゼル車7000形、7500形だったようで、車両の詳細についてはWikipedia情報以外を目下漁っている最中です。また、国鉄車両が乗り入れた実績も車両同様情報がないため、定鉄車両の片乗り入れだったと推察します。

 

 

  紙面からうかがえる「乗り入れ」の様子

 

定鉄晩年にあたる1969年の5月号の私鉄線紙面です。定鉄自体は東札幌〜定山渓の営業線でしたが、国鉄千歳線である札幌〜東札幌もしっかりと時刻が書き込んであるあたり、定鉄が札幌からの往来客をいかに期待していたかを知る手がかりの一つになります。
交通公社の時刻表 1969年5月号より
 
 
同年の千歳線の紙面です。上記の自社線時刻表とシンクロしますが、国鉄線内に入ると一部の列車は、東札幌で国鉄線普通列車と併結して運行されているのがわかります。
例として、札幌発8:29 726D 千歳行のディーゼル列車ですが、東札幌で定山渓行の列車を切り離しし、定山渓着9:43と記事があります。
交通公社の時刻表 1969年5月号より
 
 
今回は以上です。定鉄を深耕できるほどの知識も紙面量もありませんでしたが、かつて存在した北海道の私鉄のひとつがこのような形で存在した証を残せただけでも満足です。
 
 

なお、過去のシリーズをまとめたページがあります。よろしかったらバックナンバーもご覧ください。

 

 

参考資料:交通公社の時刻表 1969年5月号

参考サイト:定山渓鉄道線、定山渓鉄道キハ7000形気動車(ともにWikipedia)