21年を通年で取り上げようと考えているテーマのひとつ、「迂回(うかい)運転」の掲載された時刻表から、その事実を残していこうと思っています。

 

過去に紹介したう回列車の数々については、こちらからご覧になれます。

 

 

20回目は、東京〜山陰間をかつて結んでいた寝台特急出雲号が、京都駅改良工事にともない福知山線経由で運転された件を取り上げます。断続的に実施され、時期に寄り下りのみ、上り・下りともにう回を実施していました。

 

さて、う回の概要です。

 

概  要 寝台特急出雲号の福知山線へのう回運転

対象列車 寝台特急出雲号

う回期間 2002年 1/19,26,2/16,23、3/9、4/13、6/24 ※すべて始発駅ベース

その他、2000年9月、2005年12月にも、う回運転実績があったことをJTB時刻表(2000年10月号)、または「鉄道ばっか」様サイトで確認

 

 

う回区間 京都〜福知山

う回による経由線 東海道本線(京都〜尼崎)、福知山線(尼崎〜福知山)

う回による運賃計算の特例 なし 

う回区間の代行運転 なし

備  考:経由しない綾部駅への利用客向けの注意書きあり

 

下記の動画を上げてくださっている方がいました!2002年3月10日(東京駅3月9日)の福知山線谷川駅での撮影のようです。

 

 

う回の履歴(1) 寝台特急ページ 東京〜四国・山陰 下り

 

 今回取り上げるう回運転について、運転日によって対象列車が「下りのみ」と「上り・下りの両方」と非対称となる日がありました。そのなかで今回ご紹介する紙面は、「上り・下りの両方」があった東京・出雲市を4月13日発車分のダイヤです。

 

 本来は、京都から山陰本線に入る列車が、福知山線経由となるため、綾部を経由しないことがわかります。ちなみにう回列車の京都着は4:09だったようですので、浜松〜京都間でダイヤ調整がはいっていることがわかります。

 また、う回区間が終了した福知山では、通常より1時間40分繰り下げた時刻で出発し、終着出雲市には12:53着と、夜行列車に少しでも長く乗っておきたい方にとっては、願ってもないダイヤになっていますw。

JTB時刻表 2002年 4月号より
 
 

う回の履歴(2) 寝台特急ページ 東京〜四国・山陰 上り

 一方、上り列車のう回は下りに比べて実施された回数が少なく、レア度が上がります。具体的には、う回区間こそ同じものの、京都では1時間程度の発車時刻繰り下げとなり、さらに東京到着時刻調整のため途中駅での時間調整がはいり、結果、東京到着は9:33と、通常列車より2時間半遅れての到着だったようです。ご存じの通り、東京駅の朝ラッシュ時のど真ん中に臨時ダイヤをねじ込む余裕はないわけで、こんな状態が慢性化したのも寝台列車の衰退の一つともいえるでしょうか。
JTB時刻表 2002年 4月号より

 

ちなみに寝台特急出雲号(サンライズ出雲号ではない)は、2006年3月のダイヤ改正をもって運転を終了しています。

 

今回は以上です。

 

なお、過去のシリーズをまとめたページがあります。よろしかったらバックナンバーもご覧ください。

 

 

参考サイト 

 

参考資料:JTB時刻表 2002年 1月号、3月号、4月号、5月号