カートレイン沼にハマってみた 

 

第8回以降は、海外のカートレイン列車にフォーカスしてみたいと思います。

 

海外のカートレイン列車は、世界各地に存在していますが、大きく2パターンにわけられるようです。

 

1) 旅客と自家用車を同じ列車で移動する←日本のカートレインがこれ

2) 自家用車の中に旅客が乗ったまま移動する←カーシャトルトレイン、またはカーキャリーイングトレイン

 

カートレイン沼シリーズでは、1)を中心に世界各国の運行事例を後学かねてまとめてゆきます。

 

今回は、アメリカ・全米鉄道旅客公社が運営しているオートトレイン(Auto Train)について。

 

  オートトレイン(Auto Train)

 

オートトレインは、米国運輸省の元職員である創業者ユージン・K・ガーフィールドの発案により誕生。サービス名がそのまま会社名となり、家族が移動中でもくつろぐことができ、到着後のレンタカーの費用や慣れない操作を省くことができる斬新なサービスを提供していました。

 

オートトレイン社は機関車や車両を独自に保有していたが、当初はシーボード・コースト・ライン(SCL)やリッチモンド・フレデリックスバーグ&ポトマック(RF&P)といった線路借りて運行していました。

 

 

  運行開始から現在までの略歴

 

1971年12月 バージニア州ロートンとフロリダ州サンフォードの間で運行を開始

 

1973年当時のオートトレインの旅客車。元サンタフェ鉄道の「ビッグドーム」が使われたとのこと。

 

1981年4月 オート・トレイン・コーポレーションは1981年4月下旬にサービス終了を余儀なくされた。

 

1983年 米国の都市間旅客列車の大半を運行する連邦政府認可の法人であるアムトラック(National Railroad Passenger Corporation)が、オートトレイン(Auto Train)サービスとして復活させる。

 

2021年の現在でも継続的に運行されています。

 

 

  運転区間

 

ワシントンDCの南方にあるロートン(Lorton)から、855マイル (1,376 km)南下して、フロリダ州オーランドの郊外にあるサンフォード(Sanford)まで運行されています。ご存知の通り、オーランドはあの夢の国がある街です!!!

 

Amtrak Auto Trainのウェブページより抜粋

 

運行ダイヤですが、毎日運行となっており、両駅とも16:00丁度に出発。翌朝9:00にそれぞれの駅に到着するというシンプルなダイヤ。

列車番号ですが、南行が53、北行が52となっています。

 

カートレインに切っても切れない「自動車積載から出発までのスケジュール」ですが、

午前11:30 自動車積載開始

午後2:30 すべての種別の自動車積載締め切り

午後2:30〜 旅客の乗車開始

 

なお、北行については、出発までの時間でサンフォードの下町をめぐるエクスカーションも用意されているそうです。沢山遊んだあとでも、まだまだ楽しめる!

 

 

  編成を構成する車両

 

  • 座席車(コーチ)
  • 寝台車

ルーメット(Roomette)、ベッドルーム(Bedroom)をはじめ、多様なグループに対応する寝台客車が連結されています。

 

 

  • 自動車運搬用の貨車

 

自動車の積込方法は、自走式。写真内にあるスロープを使って積み込むわけですよね。

 

自家用車の積載ですが、この貨車は「2階建て」なのです。下記のYouTubeの0:50あたりの画がわかりやすいです。

 

ちなみに一編成の長さですが、

機関車を除いて客車、貨車あわせて最大50両の編成となるそう。総延長1.2Kmというとんでもない規模です。

 

次回は、ヨーロッパのカートレインについて。

 

今回は、以上です。

 

カートレイン関連のまとめページはこちらからどうぞ!

 

 

参考ページ カートレイン、AutoTrain,Motorail,List of Amtrak rolling stock(いづれもWikipedia)

参考資料 AMTRAK OFFICIA SITE

本文内写真 Frickrのリンクより

カバー写真 Rails at en.wikipedia, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で