カートレイン沼にハマってみた 

 

第7回は前回に引き続き、エンジン付き二輪車を運搬した歴史として、上野発着のMOTO(モト)トレインの兄弟列車、モトとレール号を紹介したいと思います。

 

モトとレール(モトトレール、日本海モトトレイン)

時刻表記載ベースですが、同じ列車に3種類の列車名が存在しました。どこまで厳密に管理していたのかは定かではありません。

日本海モトトレイン 1988年(初年度のみ)

モトトレール 1989年、1990年

モトとレール 1991年〜1998年

 

初年度が日本海モトトレインでしたが、その名称が、支払った対価に対して元が取れない、の意味(元とれん)があり、いい印象ではないとのことで、名称が2年目以降変更されたという「都市伝説」が出回っていますが、正式な情報の出どころを見たことがないので、定かでないと言っておきます。

 

 

  運行時期、区間

 

運行年とシーズン

1988年〜1998年 全11シーズンとも夏休みのみの運行

 

運転区間

大阪〜函館間 全13シーズン

 

当時のチラシをアップされている方がいらっしゃいました。

 

 

  運行ダイヤ

 

上野発着のMOTOトレイン同様、単独で運行せず、大阪〜函館間全区間、寝台特急日本海号に併結されて運行。

 

下記、代表的なダイヤを紹介しています。

 

【1988年】 ※日本海モトトレイン

大阪発    17:35    →函館着    11:08 1988/7/15〜8/27

函館発    16:52    →上野着      9:56 1986/7/16〜8/28

 

時刻表内の扱いも、付録ページに時刻が下記のように記載されていただけ

 

で、特急ページはじめ、日本海号にはその存在すら感じることはできません。

交通公社の時刻表 1988年 7月号

 

 

  車両、編成について

 

牽引機 EF81(大阪〜青森)、ED79(青森〜函館)

※寝台特急日本海1号、4号に準ずる

客 車 オハネ25(?) 1両 (2段式B寝台客車)

荷物車 マニ50 1両 ※1編成で20台積載と時刻表に記事あり。1両でオートバイ20台積載できる仕様。特急運用につくために改造されたのは5000番台(5001、5002)。

 

なお、モトトレール専用に模様替えされたのはマニ50だけ。寝台車についてはどのように扱いだったのかは調査中です。

 

鉄道模型のトミックスの情報が一番わかりやすかも。リンクです。

 

 

 

  始発・終着駅の地図情報

 

貨物扱いとはいえオートバイ積載なので、自動車積込時に必要な積み込み設備は不要だったこともあり、一般の旅客駅での発着が行われました。そのため、乗車ホームまでは指定された動線がありましたので、当時の時刻表紙面で、その積み込み場所ほかの情報をならべてみました。

 

 大阪駅

大阪駅も数えるほどしか訪問したことがないのですが、現在の桜橋口の北側にあるシャトルバス乗り場あたりに受付場所があったようですね。

JTB時刻表 1989年 7月号より

 

 

 函館駅

下記が1989年の函館駅構内動線案内図。

JTB時刻表 1989年 7月号より

 

 

下記が1995年の函館駅構内動線案内図です。1989年と比べて受付場所の位置が駅本屋側に移っていることがわかります。

JTB時刻表 1995年 7月号より

 

  運賃

 

途中駅乗り降りがないのと、バイク定員が最大2名ということから、とてもシンプルな料金表ですね。
JTB時刻表 1989年 7月号より
 
最後に、1998年にモトとレール号のみ運転終了となりますが、その後も寝台特急日本海号自体は1999年以降の継続され、定期運転は2012年3月まで行われています。
 

今回は、以上です。

 

次回以降は、日本以外のカートレイン事情にも首を突っ込んでしまったので、まずはアメリカ合衆国のカートレインについてまとめてみたいと思います。

 

カートレイン関連のまとめページはこちらからどうぞ!

 

 

参考ページ カートレイン(Wikipedia)、トミックスサイト:JR 24系25-0形特急寝台客車(日本海・モトトレール)セット

参考資料 交通公社、JTB時刻表 1988年〜1998年 各年の付録ページ

本文内写真 Frickrのリンク

カバー写真 spaceaero2, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons