前回に引き続き、今回も私の時刻表コレクションを元にスキー列車の歴史を、実物の時刻表とあわせて、ひともいてみようと思います。

 

このシリーズの全体像の予定です。

【1】1970年代 ○○銀嶺号から○○スキー号への移行期

→イマココ 【2】1970年代〜80年代 ○○スキー号からシュプール号への移行期

【3】1990年代 シュプール号をはじめとした各地のスキー列車

【4】2000年代以降 シュプール号の終焉

【5】番外編 

→前回分はここから覗けます。

 

ということで、今回は、【2】1970年代〜80年代 ○○スキー号からシュプール号への移行期 としてまとめております。(【2】については、前回ブログから名前を変えましたw)

 

 

  1970以降、87年までの時刻表から拾った「○○スキー(一部スキー○○含む)」の一覧

 

今回も私の手元の時刻表から拾えたものをありったけ載せました。以下、抽出にあたってのポイントを列挙しました。

・列車が運行されていた時期については割愛しております。

・期間ですが、1972年3月以降、「国鉄民営化前」として1987年3月までのデータとしてご覧ください。

 

 上野発着の「○○スキー(スキー○○)」

急行    戸狩スキー    

急行    妙高スキー    

急行    信州スキー    

急行    野沢スキー

急行    志賀スキー    

快速・急行    草津スキー        

急行    中里スキー            

急行    湯沢スキー    

急行    小千谷スキー

快速・急行    石打スキー    

急行    小出スキー    

急行    ざおうスキー    

急行    ばんだいスキー    

急行    スキートレイン猪苗代    

 

→上越線、信越本線を中心に多数のスキー列車が設定されていました。70年代から80年代にかけて、名称として長らく残ったものは「戸狩スキー」「石打スキー」「小出スキー」「ざおうスキー」でした。

 

 

 越後、信州地域内の「○○スキー(スキー○○)」

普通    サンデースキー    妙高高原〜小諸        

普通    スキーエコー    妙高高原〜長野        

普通    飯山スキーエコー    

普通    妙高・黒姫スキーエコー        

普通    スキーリレー    越後湯沢〜越後中里〜六日町        

快速    スキーまつり    新潟〜石打        

急行    津南スキー    

快速・急行    奥只見スキー    

快速    スキーライナー奥只見    

快速    スキーライナー上越    

→「スキーリレー」については、お察しがつくかと思いますが、1982年11月の上越新幹線開業にともない設定されたアクセス列車です。越後湯沢発着の普通列車で、開業当初は名称なしでしたが、1984年〜1985年シーズンから名称がついていることを時刻表内で確認することができました。

 

 

 

 名古屋発着の「○○スキー(スキー○○)」

急行    赤倉スキー    

急行    つがいけスキー        

急行    のりくらスキー    

快速    おくみのスキー

→名古屋発着の急行3列車の名称は70年代中旬までは確認できましたが、以降は同線の急行がその肩代わりをする形で名称は消滅しています。

 

 

 

 首都圏、関東圏(上野以外)の「○○スキー(スキー○○)」

急行    白馬スキー           新宿発

急行    アルプススキー        新宿発

快速    霧ヶ峰スキー   新宿発

普通    上越スキー   高崎発、新潟発  

普通    八高草津スキー  八王子発      

普通    両毛石打スキー       小山発、後に「両毛スキー」と改称

普通    両毛草津スキー       小山発

普通    両毛上越スキー       小山発

普通    両毛スキー        小山発

普通    猪苗代スキー    水戸発        

→小山発着の両毛スキー号は70年代中旬から設定されている普通列車。猪苗代スキー号は猪苗代銀嶺号(佐貫発)から改称されて1980年代中旬まで設定を確認できています。

→霧ヶ峰スキー号は、新宿〜小淵沢間を「八ヶ岳スケート」号を併結運転した客車列車でした。

 

 

 大阪発着の「○○スキー(スキー○○)」

急行    たかやまスキー    

急行    但馬スキー        

快速    神鍋スキー        

快速 ・急行   ハチ春スキー    

→ハチ春スキー号は、70年代前半で確認できました。ちなみに「ハチ」は標高1,221mの鉢伏山(はちぶせやま)中腹に開けたスキー場からつけられているようで、いまでも「ハチ高原スキー場」として関西圏では有名なようです。

 

 

 山陰・山陽地方の「○○スキー(スキー○○)」

快速急行    三井野原スキー

急行    大山スキー    下関〜米子

→下関〜米子として運転された大山スキーの名称はかなり短命です。近い時間を走る急行さんべ号がその役割を担ったことが理由ではないかと推察します。 後刻博多〜米子間の急行として復活します。

※1980年1月号より

 

 

 東北地方の「○○スキー(スキー○○)」

快速    たざわスキー普通    仙山スキー ※のちに、面白山スキーと改名

普通    面白山スキー    

普通    竜ヶ森スキー ※のちに、安比・竜ヶ森スキー号と改名

普通    安比・竜ヶ森スキー    

普通    なるごスキー    女川~鳴子

→仙山線の面白山スキー号、安比・竜ヶ森スキー号は域内完結スキー列車としては古参ですね。たざわスキー号はなぜか短命に終わっています。

※1976年12月号より

 

 

 北海道の「○○スキー(スキー○○)」

急行    富良野スキー   

急行    いわないスキー

急行    トマム・サホロスキーライナー 

急行・特急    石勝スキー    

普通    上志文スキー        

普通    いぶりスキー        

普通・急行    ニセコスキー            

普通    ニセコスキーライナー            

→石勝スキー、トマム・サホロスキーライナーにいたっては、1985年に開業したトマムリゾートへのアクセスとして設定されました。以降トマムエリアへのアクセス向上のための臨時列車が多数設定されます。また、特急については、1984年12月までは急行だったものが特急昇格した結果のようです。かなり短命です。 

※1985年1月号より

 

 

 時期別でまとめてみた「○○スキー(スキー○○)」

前述の列車名ですが、下記のようにカテゴリをわけてまとめてみました。

★70年代初期に存在。以降設定なし。

急行    アルプススキー    →臨時設定の急行アルプス号に吸収された形

急行    中里スキー    

急行    湯沢スキー    

急行    小千谷スキー

普通    両毛石打スキー

急行    津南スキー    

快速・急行   ハチ春スキー    →但馬スキー号に吸収された形

普通    仙山スキー      → 面白山スキー と改称

 

★国鉄末期〜JR化直前に誕生した(1986年冬)

普通    飯山スキーエコー

普通    妙高・黒姫スキーエコー

快速    スキーライナー奥只見    

快速    スキーライナー上越

急行    スキートレイン猪苗代

普通    ニセコスキーライナー

急行    トマム・サホロスキーライナー 

→JR化直前に誕生したスキー列車については、名称のみならず、その設定自体に当時の国鉄各総局の意気込みを感じます。「スキーエコー」は、周辺の中心都市、または大都市圏からのアクセス拠点となる駅とを接続し、エリア内での利用客を増やすというのが明快ですね。

 

 

参考資料、ブログ内紙面写真の出処

・日本交通公社の国鉄監修時刻表 1972.3 、1973.3、1974.3、1975.1、1976.1、1976.12、1977.2、1977.12、1978.2、1979.2、1980.1、1982.1、1983.4、1984.1、1985.1、1986.3、1986.11、1987.3

・弘済出版社 コンパス時刻表 1970.3、1982.12

カバー画像 Oleksandr PyrohovによるPixabayからの画像