知ってる?アタッシュやくも号

 

これをいいたくて仕方なかったので、タイトルにしましたw。ということで、今回は、陰陽連絡特急として名高い特急やくも号を取り上げます。当時は「エル(L)特急」という冠がついた列車名で運行されていました。

 

まずは、特急ガイドページの特急やくも号のページをご覧いただきます。

JR時刻表1996年3月号より

 

やくも号、スーパーやくも号

・・・・アタッシュやくも号です。

 

 

  ところで、アタッシュて?

 

早速引用となり恐縮ですが、アタッシュ の言葉の意味について、

〘名〙 (attaché)⸨アタッシュ⸩ 大・公使館員として派遣された専門職員。また、大・公使館付き武官。

(引用元:出典 小学館 精選版 日本国語大辞典 より)

 

それを列車名にあてはめて訳すると、「公官やくも???」でしょうか。

 

これは私の推察ですが、ビジネスマンを起草させるアイテムのひとつにアタッシュケースってがあり、それをヒントに採用された名称だろうと。アタッシュケースひとつを手に颯爽と特急に乗るビジネスマン!それにしても、過去の国鉄、JR列車で採用例はなかったと思われる斬新な名称だと思います。

 

そんな名称が付けられたアタッシュやくも号は、平日運転の臨時列車として登場しています。山陰地方のビジネスマンの山陽新幹線利用を想定し、目的地での滞在時間を長くできるよう、定期の始発列車よりも早くい時間、最終列車よりも遅い時間に設定されました。

 

 

  試験的に運転開始

 

以下は、JR時刻表1996年3月号の特急ページですが、やくも号、スーパーやくも号が記載された紙面の隅にアタッシュやくも号の時刻が記載されています。

 

アタッシュやくも号の運転時刻のみ抜粋したのが下記の通り。

岡山→松江 9037M 岡山発 22:00 →松江着 0:31
松江→岡山 9010M 松江発   5:12 →岡山着 7:48

列車番号が9000番台になっていることから臨時列車の位置づけになっていることがわかります。定期やくも号との大きな違いは、山陰側の発着駅が松江に設定されたこと。

設定の経緯は不明ですが、各駅からの乗車人数実績や当時のニーズを反映した設定だったのでしょう。

時刻表の注釈から「3月18日〜6月28日運転、但し、土曜・休日を除く」と、平日のみの運転であることから、ビジネスマン向けの設定であることがわかります。

 

なお、臨時列車の位置づけになっていたのですが、翌年1997年2月いっぱい、平日にほぼ運転されており、たとえば1996年12月号の紙面の注釈には「2月28日まで運転(土曜・休日と12月28日→1月5日は運休)」 との記事も確認できました。

 

 

  アタッシュやくも号は、定期列車に昇格し、名称消滅

 

1997年3月ダイヤ改正時にアタッシュやくも号は、定期列車やくも号に吸収され、列車名は発展的消滅します。

岡山発は、やくも27号(1037M) として、岡山発21:20→出雲市着 0:10
出雲市発は、やくも2号(1012M) として、出雲市 5:12→岡山着 8:00

アタッシュやくも号のコンセプトを活かしつつ、定期列車化にあたっては、運転区間が従来の岡山〜松江から出雲市に延長されています。

※元より車庫は西出雲にあるはずなので、自然な流れだったのかも。

 

今回は以上です。

 

参考資料 JTB時刻表 1996年3月号、同12月号、JR時刻表 1997年3月号 弘済出版社

参考サイト http://www5.big.or.jp/~hagi/rail/lexp/381/imo.html