キンキン撮影講座 | ビューファインダー

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   レンズを通して見えてくるモノ



食べ物の撮影の次は、飲み物を撮影してみましょう。


前回はホカホカだったので今回はキンキン!


キンキンに冷えた飲み物といえば・・・。


そうです!


私が心から愛するビールさんに今回のモデルになっていただきましょう。


まず今回のセッティングはこんな感じです。



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これじゃなんだかよくわかりませんから、レフ板をはずして横から見てみましょう。




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前回紹介した照明と大きく違うところは照明と被写体の間にある

トレーシングペーパーです。


前回のお米の撮影ではライトからの光をダイレクトに使いましたが、

今回はトレーシングペーパーをはさむことによって光をデフューズ(拡散)して

やわらかくしているのですね。


このような特別なセッティングをしなくても

お弁当の撮影講座の時にも書いたように窓ぎわに持っていき

障子やレースのカーテンでデフューズしてあげれば同じ効果が得られます。


まぁ、トレーシングペーパーはちょっと大きな文房具屋さんに行けば

簡単に手に入りますし、ちょっと本格的に撮影してみたいという方は

ぜひ購入をお勧めします。


このセッティングさえできてしまったら、どんな商品撮影でも使えてしまう

最強のスタジオです。


照明は専用ライトでなくても卓上スタンドや

窓からの太陽光でもこのセッティングでOKです。


下に敷いているブルーの紙はグラデーションペーパーといいます。

色々なサイズや色があります。

被写体によって使い分けるとさらに写真のグレードが上がりますね。

ネットでも気軽に購入できますので一枚いかがですか。




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カメラから見た感じはこんな風になっています。


レンズの上にハレ切り用に黒いボードを使っています。



さて、今回の被写体は私が愛するアサヒスーパードライ。


これをカッコよく撮影してみましょう。


ご存知の通りスーパードライの缶はアルミの銀色です。


かなり映り込みするのでサイドに立てるレフ板には特に気を使います。


銀色のレフ板では光が強すぎてしまうので

今回は白と黒のレフ板を使って比較してみます。




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まずは白いレフ板を両サイドに立ててみます。


これも厚紙に白い紙を貼り付けるだけで簡単に作ることが出来ます。


中央の缶の映り込みを比べてみてください。


下は右側を黒いボードに変えてみました。



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被写体をアップにして比較してみましょう。


これは両脇が白。


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下の写真は左が白。 右が黒。



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スーパードライのイメージから考えると

キレがあってシャープなイメージですので、

全部を白く明るくしてしまうとちょっとイメージが違うかな。


そこで今回はこの左が白、右を黒のセッティングでいきましょう。


さて、照明ができたところで次は演出です。


これだけではあまりおいしそうじゃありませんからね。


ビールをおいしそうに見せるにはどうしたら良いか。


それはキンキンに冷えたイメージを演出すること。


実際に冷蔵庫でキンキンに冷やしてもいいのですが

それだけではなかなか写真に冷たさが伝わらないのです。

そこで、今回は秘策を使います。



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用意するものはこれ。


霧吹きと紙オムツ。


なぜかアンパンマンのオムツですが・・・



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このオムツの表面の紙ををハサミで切ると

中から粉のついた綿のようなものが出てきます。


これは高分子吸収ポリマーなのですね。


これを使います。



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このポリマーを少量取り出して水をかけます。



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充分に水を吸うと、綿がドンドン透明になっていきます。


ゼリー状になったところで、缶に手でくっつけていきます。



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これで完成。


このポリマーがまるで氷の粒のようになって見えるのですね。


そこに軽く霧吹きで細かい水滴をつければ出来上がり。


パンフレットやカタログなどの広告で使う氷のイメージ写真は

全部このオムツの高分子吸収ポリマーを使っています。



それで完成した写真がこんな感じになりました↓




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冷たくておいしそうになったでしょ!



右側の黒のボードの距離を変えることでシャドーの暗さをコントロールします。


あまり暗くなりすぎないように。


左側の白い部分もあまり明るくなりすぎないように。


さて、これはこれでいい感じになりましたが、

正面からの写真ではちょっと芸がありませんね。


そこで横に寝かして撮影してみましよう。





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ビデオを立ててガラスを敷きます。


これは無反射ガラスといって、表面にすごく細かい凹凸があって

照明の光を反射しないようなガラスです。

ノングレアともいいますが、だいたい2千円くらいで四つ切サイズのものが

売っています。


普通のガラスやアクリル板でもいいのですが

そのときは偏光フィルターを使って反射光をとればOK。




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ビールはこのように固定しています。


これは粘土。


しかも小麦粉粘土です。


普通の粘土でもいいのですが、ちょっと油分が多いので私はこれを使ってます。


この小麦粉粘土はご自宅でも簡単に作れるんですよ。


まずボールに小麦粉をカップ2杯ほどと食塩を小さじ1杯入れてよく混ぜます。

手でコネながら少しずつ水をたしていきます。


耳たぶほどの硬さになったら出来上がり。

簡単でしょ!


ほんの少しだけサラダ油を入れると表面が滑らかになりますし

食紅など食用の着色料で粘土に色をつけてもいいですね。


サランラップを巻いて冷蔵庫で保存すればかなり長持ちしますし

硬くなったら水をちょと垂らしてこねれば柔らかくなります。


すべて食べられる材料で出来ているので、

小さいお子さんが誤って食べてしまっても大丈夫!!


お子さんのオモチャにも使えます。



ちょっと話がそれましたが・・・・



そうやって撮影した写真がこちら ↓



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かなりいい感じになりましたよね。


う~ん、おいしそう!


さっそくいただくことにしましょう!!