Dukas: The Sorcerer's Apprentice
指揮:Jesús López Cobos
演奏:シンシナティ交響楽団
3月2日は、スペイン出身の偉大な指揮者でありました ヘスス・ロペス・コボスさん
( Jesús López-Cobos, 1940年2月25日 - 2018年3月2日)の命日でありました。
コボスさんについてWikipedia Japanでは、僅か数行の記述しかありません。
「マドリード総合大学哲学科にて学位を取得。卒業後にフランコ・フェラーラに、
ウィーン音楽院でハンス・スワロフスキーに指揮を師事。
1981年から1990年までベルリン・ドイツ・オペラの総監督を、
1984年から1988年までスペイン国立管弦楽団の音楽監督を、
1986年から2000年までシンシナティ交響楽団の、併せて
1990年から2000年までローザンヌ室内管弦楽団の首席指揮者をも担当。
2003年にはマドリード王立劇場の音楽監督に転身した。
2018年3月2日、ドイツ・ベルリンにて逝去。78歳没。」 これだけ・・・
補足させて頂くと、マドリード総合大学哲学科にて博士号を取得して卒業。
在学中、正式な音楽教育を受けていないにも関わらず、大学の合唱団を指揮し、その類
まれな才能を顕され、ドイツでオーケストラ指揮の勉強をスタート。
ニューヨーク・ジュリアード音楽院を修了して、1968年、有名なブザンソン国際青年指揮者コンクールで第1位を獲得。
翌1969年、イタリアの名門フェニーチェ歌劇場でのモーツァルト「魔笛」を指揮してプロ・デビュー。1972年にはサンフランシスコ・オペラでアメリカでのオペラ・デビューを果たされました。その後、ほぼ世界中のオーケストラを指揮されています。
日本には、1987年に、ドイツ・オペラを率いてワーグナーの「リング」シリーズを初演
し、好評を博したことが記憶されます。
繊細で、気品高く、威厳ある演奏と、高潔で謙虚な音楽家としての人柄は、世界各地で
高く評価されていた方でした。
ご紹介する ポール・デュカスの「魔法使いの弟子」は、1986年-2001年まで15年間 率いていたシンシナティ交響楽団で録音されたもの。
全く緩みの無い、薫り高く、且つ緻密な指揮ぶりを感じ取って頂ける作品です。
「魔法使いの弟子」の解説については、こちらをご参照くださいませ。
残念ながら、
2014年 3月にスペイン・ア・コルーニャにて収録された名演「ドイツ・レクイエム」を
振られ、その僅か4年後、2018年3月にご逝去なされました。
残念無念であります。