"今を時めく三人の女性オペラ歌手" 第2回
ソプラノ:ファトマ・サイード
メゾ・ソプラノ:マリアンヌ・クレバッサ
指揮:サッシャ・ゲッツェル
モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団
ジャック・オッフェンバックの遺作のオペラ『ホフマン物語』からの二重唱。
「ホフマンの舟歌」と通称されます。
「美しい夜、おお、恋の夜よ」は、ヴェネツィアが舞台の第3幕の冒頭に
登場します。
主人公ホフマンの恋人でヴェネツィアの遊女のジュリエッタと、詩のミューズであるニクラウス(ホフマンの家来に変装している)が歌います。
ヴェネツィアという場所ともども、その歌は誘惑的で不吉なトーンをかもしだし、ジュリエッタのキャラクターを遺憾なく発揮します。
以下は、フランス語の歌詞と、翻訳ツールによる日本語の歌詞です💦
Belle nuit, ô nuit d'amour, 美しい夜、愛の夜よ。
Souris à nos ivresses. 私たちの酩酊を微笑んでください。
Nuit plus douce que le jour, 昼より甘い夜。
Ô belle nuit d'amour! 愛の美しい夜よ
Le temps fuit et sans retour 時は過ぎ去り、戻ることなく
Emporte nos tendresses 私たちの優しさを運んでくれる
Loin de cet heureux séjour, この幸せな場所から遠く離れて
Le temps fuit sans retour. 時間は戻ることなく逃げていく。
Zéphyrs embrasés, ゼファーが燃え盛る。
Versez-nous vos caresses, 愛撫を注いでください。
Zéphyrs embrasés, ゼファーが燃えている
Donnez-nous vos baisers, あなたのキスを私たちにください。
Vos baisers, vos baisers. Ah! あなたのキス、あなたのキス。ああ!
いろんな映画の中に使われていますが、有名なのは『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997年)でしょうか・・
ジュリエッタ役を歌う ファトゥマ・ ザイード(Fatma Said)さんは、エジプト出身
のソプラノ歌手。(映像、右側の方(o^―^o)ニコ)
2019年にはワーナークラシックスと専属契約を交わし、スター街道を驀進中のエリート
ソプラノ歌手です。
このプログラムは、ファトマさんの言葉を借りれば、
「さまざまな歌やアリアのモンタージュであり、それぞれが特定のスタイルの音楽、
そしてリズムを通して語るべき物語を持っていて、それらを織りなす糸は、ダンスというテーマ。」
「私はいつも、パートナーと一緒でも一人でも、ダンスにおける身体的、内面的な動きにインスピレーションを感じてきました。" "私にとってダンスは、自分を表現するもうひとつの方法なのです。」
本年、ワシントンのケネディセンターでRafik Hariri Awardを受賞して、押しも押されぬトップスターとなりました。
Egyptian soprano Fatma Said honoured with Rafik Hariri Award at the Kennedy Center - Music - Arts & Culture
https://english.ahram.org.eg/News/488238.aspx
ところで、お気づきでしょうか?
本ビデオで、ファトマさんと一緒に歌うメゾ・ソプラノの歌手さん。
前回の「ラクメ の 花の二重唱」記事でご紹介した、マリアンヌ・クレバッサさんです。
この人も、ザルツブルグ音楽祭の常連の、人気のメゾソプラノ歌手で、フランス出身の
36歳。
一番、声が美しいとされる時期を、大変ご活躍の方です。(o^―^o)