【Audio】音楽を聴く道具 第8回 Marty101 | Spinnaker's Music Clipboard

Spinnaker's Music Clipboard

クラシック音楽をこれからお聴きになりたい方々に向けて書き綴った「クラシック音楽ご案内」ブログです。どうぞご厚誼の程よろしくお願い致します。

 

イメージ 1

 

タイムドメイン理論というものがある。日本の由井さんという人が研究して完成させたスピーカー構造理論。

CDやレコードなどに収納されている原音を、歪めず、調整することなく「そのまま再生する」のが最大の特徴。

理屈はさておき、吃驚仰天の素晴らしい音を奏でる。しかも、高価なオーディオアンプなどは不要。

MP3プレーヤーやCDドライブに直接つなげば良い。なんとも驚きの透明且つ静かな音を紡ぎ出してくれる。



このタイムドメイン理論に惚れ込んだ友人がいる。台湾出身の人でPC周辺機器のメーカーを経営していた。

いまから10年ほど前、この人が試作機を作り、その音を聴かされた。・・・正直、ひどい音がした。

ただ、これまでのスピーカにはない、音の明瞭さがしばらく忘れられない程に際立っていた。


最近 その人から「できた!」と連絡が来たので、早速、聴きに出かけた。イヤ、大変に驚いた。


CDウォークマンから直接つなげている高さ30cm足らずのスピーカから、百万円を超えるオーディオセットを

遥かに凌駕する、きわめて澄み切った音がでてくる。事務室内の隅々に 隙間なく音楽が広がり、満ちていく。

この友人は10年間、黙々と改良を重ねたのだ。頭がさがった。


名前は?と訊くと「マーティ101」と命名したという。

そういえばなんとなくSF映画に出てくる火星人に格好が似ている。

スピーカーに珍しく筒型の塔のような格好をしているが、そういえば台北に101タワーという名前の

高層ビルがある。

どうも、真剣に命名したとは思えない。が、そんなことはどうでもいい。素晴らしい音がする。


音楽を聴く道具(スピーカーを含めたオーディオ機器)が上質であるか否かを判別するポイントとして、

「音がない時に無音であること」が非常に大切であると私は考えている。

この「Marty101」は完全な「無音」状態を再現し、且つ、ボリュームを上げてもフォルテシモになっても

全く歪まない。音質は透明にして明瞭そのもの。


なんと驚くことに、5cmのフルレンジ・ユニットしかついていない。

このユニットが高さ30cmくらいの筒の上部に無重力状態のような形で取り付けられていて、自由振動する。

たった5cmのユニットx2個しか持たないのに、然も、iPodやCDウォークマン直結で、百数十万する

オーディオセットに全く遜色のない、ひょっとしたら凌駕する「清澄・透明感溢れる、絶妙の音」を出す。

そのうえ、5.1CHのような360度の広がりを持ち、オーケストラの楽器配置が明瞭にわかる。

クラシックは勿論、ジャズ・ブルース・ポップスなんでもござれ。


  オスカーピーターソンの軽妙で、粒ぞろいの暖かいピアノ。

  セリーヌディオンの澄み切った、伸びやかな声とハーモニー。

  バッハ・バイオリン協奏曲の通奏低音のチェンバロの見事な再現。

  無伴奏チェロソナタの重厚で、指使いの細かい強弱が語りかける哀歓。

  メンデルスゾーン・バイオリン協奏曲の鋭く、暖かく、揺るがないスピード感

  チャイコフスキー交響曲第5番が表現するロシアの大地に響くおなかに響き渡る咆哮。

  東欧の森に流れる朝霧-ブルックナー第4番の輻輳する旋律のきめ細かな再現。

  あきれる・・・

  言い忘れてはいけないが、このスピーカー、言葉の再現がすばらしい。

  映画館で聞き取れなかった英語が、このスピーカーで聞くと明瞭に耳に届く。

  語学教室や老人ホーム・介護施設でたくさん導入されていると聞く。


日本での価格は、一セット2万8千円。

このスピーカの開発に10年間を費やした台湾人の友人の執念を思うと「脱帽」するしかない。


使い方は。簡単。CDウォークマンやパソコン・iPODに直接つなげば良い。パソコンでDVDを再生して

このスピーカーにつなぐと本当に映画館の音が耐えられなくなってしまう。

音楽のために広い場所を準備できない。最も安価に上質の音を聴きたい。

それだったらお勧めのオーディオセットです。