鈴木正人の自伝「まぁいいっか!」 -6ページ目

鈴木正人の自伝「まぁいいっか!」

重度の身体障害がある鈴木正人(すすきまさひと)のブログ
1972年生まれ、三重県松阪市に暮らしています。
普段僕は車イスで生活をしています。
自分のこれまでの人生をまとめてみました。

僕が27歳の1999年、希望の園の皆でカナダへ国際交流を兼ねた旅行に行くことになった。行先はバンクーバーで五泊六日の旅だ。現地の障害者施設へ行き、カナダの障害者と交流するのが目的だ。僕も含め、皆にとって初めての海外旅行だった。

 

旅行の参加者は川上けんちゃん、田中マーシー、ハッチ、中島大ちゃん、ワー君、松島さん、浦西さん、安川ひでちゃん。ほぼ車いすの人達だ。そのメンバーの保護者と、職員、ボランティアの大所帯でカナダへと飛び立った。フライトは7時間。僕は手足を固定しているためその間はトイレに行けないので何とか我慢しきった。

 

国際交流としてバンクーバーの障害者施設へ行き、現地の障害者と交流した。僕は英語の文字盤を用意していった。それを使ってカナダの人とコミュニケーションをしてみた。うまく意思疎通ができたとは言えないけれど、自分なりに工夫していってよかったなと思った。一緒に行った仲間も英語でのコミュニケーションに苦労していた。その時感じたことは「みんな英語がわからないのだから、言語障害が有っても無くても立場は同じ」ということだ。その点においては、僕の方が生きる力は上になる。普段からコミュニケーションに対して色々な工夫が必要になるからだ。

 

何よりもカナダの福祉にはとても感動した。例えば電車を利用した時の事。電車に乗り込もうとするとホームと電車の間に段差がないのだ。隙間も4~5cmしかないのでスロープ無しで乗り降りができることに感動した。クルージングを楽しんだ時も、フェリーは完全にバリアフリー化されていた。利用はしなかったけど、タクシーは全車に車イス用のスロープが付いていた。日本のタクシーも全部このタイプにしたらいいのにと思った。車いすの人でも手を挙げてタクシーを止められる社会は本来当たり前のことだと思う。税金に関しても、福祉に対して手厚く使われているそうだ。カナダは本当に障がい者に優しい国なのだなと実感した。同時に「日本は本当に先進国と言えるのかな?」なんてことを思った。

 

話は変わるが、実はこの旅行で一番気になっていたのはトイレのことだった。普段、トイレの介助は父がしてくれていた。便秘症だった僕は、父がいるときに座薬を使用して排便をするのが日常だった。しかしカナダへ一緒に行くのは母だ。大の方は父でないと不安が大きかった。「私がちゃんと介助するわ」と母は言ってくれたが僕は旅行中、大は我慢できるところまでは頑張ろうと思った。せっかくの海外旅行なので母に負担をかけたくなかったからだ。

 

カナダを満喫していた4日目の夜。村林園長とホテルの部屋が一緒だった。僕は今日がチャンスだと思い、「排便の介助をお願い!」と伝えた。僕の状態を気にしていた母も園長にトイレの事を伝えてくれていたようだ。園長には負担をかけるけれど、ちゃんとやってくれると思ったのでお願いした。園長は「おう、わかった」と言い、僕をベッドに移乗した。膝までズボンを下げてもらうと僕は「両足首と太ももを紐で縛って欲しい」とお願いした。そうしないと僕の足は勝手に動いてしまうのだ。側臥位にして座薬を挿入してもらい3分ほど待つと、おならが出て黄色信号が点滅した。次第にお腹がキュルキュルと痛み出す。僕は「トイレもう行く!」と園長に叫んだ。園長は「よし、行くぞ」と言い、僕の腕に手を絡めてトイレまで引っ張って、そして僕を抱えて便座に座らせてくれた。しばらくすると猛烈な腹痛と共に、強烈な便意が襲った。そして僕は4日振りに排便を済ますことができた。排便後にはとても幸せな気持ちになった。

 

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