電動車イスを手に入れた23歳。僕はこの愛車に「スター号」と名付けた。この名前は大好きなバンド「安全地帯」のファンクラブ名から頂いた。この頃から「スター号」に乗って一人で街に出るようになった。そこで色々なお店に行ったり、沢山の人との出会いがあった。その中でも印象に残っているお店について書こうと思う。
まずは郵便局。僕が25歳になった時、お金の事で母に相談したことがある。20歳から市の特別手当が支給されているのだが、そのお金を自分で管理したいと訴えた。いつまでも親の世話になっている訳にも行かないと思ったからだ。母も僕の考えを理解してくれて、そのお金に関しては自分で管理することになった。同じ時期に園の職員、山田さんからも「お金の管理は自分でできる様になった方がいいよ」と言われた事があり、それもきっかけになった。市からの支給は振り込みされるので、通帳が必要になる。その通帳を作りに山田さんと郵便局へ向かった。窓口で対応してくれたのは50代ぐらいのおじさん局員だった。山田さんのサポートと文字盤と使ってのコミュニケーションで話はスムーズに進み、用意していた印鑑と僕らの身分証明書である障害者手帳を提出して貯金通帳が出来上がった。念願だったのでとても嬉しかった。
数か月後、作った通帳に手当が振り込まれ記帳された金額を見た時のことは今でもはっきり覚えている。「有り難いなぁ。。」と素直に思った。このタイミングでドラゴンボールZのDVDのBOXセットが発売された。僕はどうしても欲しかったので、同じ商店街内にある村林楽器で購入した。こうしたふれあいや地域との交流も、自分でお金を管理して行きたいお店を選ぶようになったからだと思う。後に親を説得して、障害者年金の管理も自分でするようになった。その理由は、友達と親無き後の話しをしたことがきっかけだった。親は自分たちよりも先に死ぬ。このことはわかっているのだから今の内に自分で管理できるようになっておくべきだと思ったからだ。そういえば僕が小学部の頃、高等部の岩田さんも同じことを言っていたことを思い出した。親が生きている間に失敗を沢山しておいた方がいいと。
とにかく自分でお金を管理することで僕の世界は大きく広がり、商店街の方々とも仲良くなれた。中井時計店、おもちゃのむらじん、金子屋など沢山のお店の方々のお世話になった。ご迷惑をかけたり失敗をしたこともあったけれど、その積み重ねが自信になり今の僕を作っていると思う。
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