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鈴木正人の自伝「まぁいいっか!」

重度の身体障害がある鈴木正人(すすきまさひと)のブログ
1972年生まれ、三重県松阪市に暮らしています。
普段僕は車イスで生活をしています。
自分のこれまでの人生をまとめてみました。

40歳くらいの頃、僕は新しい趣味を持ちたいと思っていた。父は釣りが趣味で毎週のように海に出かけていたので、僕もそんな没頭できるものが欲しかった。20代の頃は希望の園のメンバーとカラオケによく行った。30代はプロ野球。特にヤクルトスワローズにハマり、ナゴヤドームへ出向き野球観戦を楽しんだ。東京ドームでニューヨークメッツの試合を見たこともある。

 

40代に入った僕は、株取引などマネーゲームに興味が沸き、趣味にならないかな思っていた。ヘルパーさんに何気なく話してみると、「競艇が面白いよ」と言われた。「う~ん、賭け事か…。」とその時は思った。なぜなら尊敬する父は僕に向かって「賭け事には手を出すなよ」とよく言っていたからだ。日本船舶振興会のテレビCMが流れると「こんなもんに行くなよ」とよく言っていた。父は僕がやり出したらハマるとわかっていたのだろう。希望の園で「競艇に行こう」と話しが持ち上がっても僕は行かなかった。
 

しかし、ヘルパーさんから競艇で勝った負けたの話しを聞いているうちに、段々と興味が沸いてくる自分が居た。競艇の面白さはどこにあるのか聞いてみると「とにかく行ってみたらわかるよ」と言うのだった。やっぱり僕はアホだった…。「競艇場に連れて行ってほしい」そうヘルパーさんに伝えるまでに時間はかからなかった。ヘルパーのKさんは「そういう気持ち、障害があってもなくても同じやと思う。楽しんだらいいと思うよ。」と言ってくれたのが嬉しかった。

 

僕が初めて行った競艇場は県内にある津ボートだ。入場する前に競艇新聞を買って見た。新聞を買うのも初めてのことだ。広げてみると選手名の上に◎や△や×の印がある。読み方がよくわからないけれど、見ているだけでワクワクしていた。入場料に百円が必要だった。これも知らなかった。ゲートを通り抜け、1階席まで向かうと、ボートの音と共にレース場が見えてきた。「広い!こんなんになってたんや!」僕はさらにワクワクしてきた。会場はとても広いので、ヘルパーさんに色々案内してもらった。エレベーターに乗り、34階の客席まで行ってみた。とても眺めはよかったが、この日は1階で見ることにした。

 

初めて生のレース場に来て知ったのは、ボートが思った以上に大きいという事だ。これはテレビで見ているだけではわからない。逆に音は思っていたより小さく感じた。一番圧倒されたのはボートがカーブを曲がる時の迫力だ。猛スピードで迫ってくるボートや音、コーナーを攻める選手たちの気迫。ボートの魅力はスタートに詰まっていると思う。「3対3」とか「枠ナリ」とか基本的な専門用語があるのだが、当時はまだ何も知らなかった。しかし選手たちが何か駈け引きをしている姿に興奮を覚えた。スタートが「よーいドン!」では無いとこもなんかいいなと思った。

 

初めての競艇体験は楽しいものだった。会場に行ってみて知ったことも沢山あった。4階に行けば2,000円の個室があり、テレビモニターを見ながらゆったり観戦できる。9Rが終わってからは入場無料になる。しかし、一日のレースは12Rなので、4Rしか賭けることができない等々。舟券の買い方も、何もかも知らなかった。「ボートは奥が深いぞ。海や川、プールなど環境も違いでレースの行方も違う。選手の特徴も勉強しろ!とにかく楽しい日々が待っているぞ!」と当時の僕に言ってやりたい。

 

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