鈴木正人の自伝「まぁいいっか!」 -19ページ目

鈴木正人の自伝「まぁいいっか!」

重度の身体障害がある鈴木正人(すすきまさひと)のブログ
1972年生まれ、三重県松阪市に暮らしています。
普段僕は車イスで生活をしています。
自分のこれまでの人生をまとめてみました。

父は多趣味で、F1などのモータースポーツも大好きだった。テレビでF1のレースが放送されていたら必ず見ていた。僕も父の隣でよく見てはいたが、そこまで興味を持てなかった。そんなある日、父が「今度、鈴鹿サーキットでF1のレースがあるけど見たいか?」と言う。僕は正直そんなに興味はなかったけれど「行きたい!」と返事をした。それはサーキットの遊園地にある「でんでん虫」の乗り物に乗りたかったからだ。以前に遊園地は行ったことがあり、とても楽しかった思い出があった。「サーキットに行けば、でんでん虫に乗れる!」僕はそんな期待をしてF1レースを見に行くことになった。

 

当日は、僕と父母、祖母の4人でサーキットへ向かった。鈴鹿サーキットに着いた時点でマシンの音がめちゃくちゃうるさかった。そして観戦の人でごった返していた。入場ゲートをくぐると、頭上には僕の目的の「でんでん虫」が走っていた。4人ぐらいが乗れる小さなモノレールのような乗り物だ。「早速乗りたいなぁ」と思っていたが、父はそこを素通りしてレース場に向かっていく。「しかたない、帰りに乗せてもらおう」とその場は諦めレース場に着いた。レース場は、マシンのエンジン音がさらに響いていて、うるさいどころか振動が全身に響いてきた。

 

場内では、なんとゴーカートに乗ってサーキットのレースコースを走行できる体験イベントが開催されていた。それを見た父は「乗ってみるか?」と言う。僕は「てんとう虫なら喜んで乗るけど、ゴーカートかぁ」と思っていた。すると母が「ええやないの!乗らせてもらいな!」と勝手に決めてしまった。これはいつもの事だ。

 

イベントの受付には沢山の人が並んでいて、中には親子連れもいた。だんだん順番が近づいてくるとゴーカートに乗り込む様子も見えてきた。子どもは親の膝に座ってスタートしていた。ヘルメットもなかったと思う。今思えば、めちゃくちゃ危険だと思うのだが、当時はそれが普通だった。

 

いよいよ僕らの番がやってきた。父は係員に「この子も一緒に乗れますか?」と聞くと「ああ、いいですよ。お父さんの膝の上に乗せてください。」と軽く返事をした。用意されたゴーカートは一人乗り用で、まずは父が運転席に座り、母と祖母が僕を抱きかかえ父の膝の上に座らせてくれた。父は僕を片手で抱え、ハンドルを片手で握りアクセルを踏み込んだ。父は運転が上手い人だったので安心感して乗っていられた。テレビでも見たことのある大きなタイヤのトンネルをくぐったときは嬉しかった。サーキットを一周して戻ってきたときは楽しかった。

 

F1レースは父がとてもいい席を取っていて、スタート地点からすぐ近くのスタンドから観戦できた。しかし、マシンの速度が速すぎて何が起こっているのかよくわからなかった。そして本番のレースとなれば音もさらにデカくなり、うるさいなんてものではない。音圧でお腹が痛くなるほどだった。

夕方レースは終わり、僕はメインイベントである「でんでん虫に乗りたい!」と両親に必死で伝えた。しかし答えは「次来た時な」と僕の訴えはバッサリ切られ、さっさと駐車場に向かうのであった。

 

めちゃくちゃ悔しくて、僕は帰りの車の中で大暴れしてやった。

 

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