【ヘリコプターに乗った話 小学部1年】 | 鈴木正人の自伝「まぁいいっか!」

鈴木正人の自伝「まぁいいっか!」

重度の身体障害がある鈴木正人(すすきまさひと)のブログ
1972年生まれ、三重県松阪市に暮らしています。
普段僕は車イスで生活をしています。
自分のこれまでの人生をまとめてみました。

小学部1年だったある日、父が「正人、ヘリコプターに乗ってみたいか?」と突然言い出した。長島スパーランドでヘリコプターの搭乗体験のイベントがあるとラジオで聞いたらしい。僕は高所恐怖症なのでそんなに興味はないなぁと思っていたが、そこに母が入ってきて「面白そうやないの、乗せてもらおに!」と言い出した。父も母も決めたら行動は早く、次の日曜日に行く事になった。僕は心の準備もできないままだった。

 

次の日曜日になり、朝9時に家を出発し、10時頃には長島スパーランドに到着した。遊園地はかなり混んでいた。僕たちはそのままヘリコプターのイベントに向かった。会場に着くと2機のヘリコプターが並んでいた。前に大きなプロペラと後ろに小さなプロペラがついている一般的なタイプのモノだ。近くで見るのは初めてで、想像していたよりも大きかった。

 

会場にはあまり人が居なかったので直ぐに搭乗できることになった。しかし係の人が車椅子に乗っている僕を見て「この子は椅子に座れますか?」と両親に聞いた。座れなければ乗れないとの事だった。もちろん僕独りでは座位は保てない。それほどヘリコプターに乗りたくなかった僕は、「別にそれでイイや。それよりも他の乗り物に乗りたいなぁ」と思っていた。

 

しかし父は「私の膝の上に乗せるのでは駄目ですか?」と答えた。係の人は「上の者に確認しますので、お待ちください」と言い、上司に僕らの状況を伝えに行った。しばらくすると「お父さんの膝の上で大丈夫です!」と言うのだった。「あぁ、仕方ないかぁ」と思いながら僕は父に抱っこされてヘリコプターに乗り込んだ。

 

係の人から注意事項の説明があり、父はシートベルトを締め僕をしっかりと抱きしめていた。搭乗するのはパイロットの方と父と僕の3人。プロペラが物凄い音を立てて回り出し、機体が浮かび上がった。僕はめちゃくちゃ怖かった。「いよいよこれで死ぬな。。」と思った。どんどん上昇し、しばらくしてから地上を見るとあまり怖さは感じなかった。あまりの高さに現実離れして、全てがミニチュアに見えた。そこから見えた海がとても印象的で、水たまりのようだった。15分ほど空を旋回して地上に帰ってきた。初めは怖くて嫌だったけれど、最終的には楽しい体験だった。一緒に乗り込んだ父は、僕の緊張を抑え込むのに必死で大変だったそうだ。

 

ヘリコプターの体験が終わると父と母は「さ、帰ろか」とあっさり言うのだった。僕は遊園地で遊べると思っていたのに・・・。

 

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