「さよならが、いえなくて」は、先生の生徒の一人であるジュンと先生とのやり取りをつづったものです。
ジュンが先生に宛てた手紙をそのまま本に載せてあり、衝撃を受けました。
ジュンが先生の生徒となったのは、今の私と同い年つまり19歳の時です。
その時の彼女は、覚せい剤依存症でした。
しかし覚せい剤をやめたいと思い誰かに助けてもらおうと、そこで頼ったのが水谷先生でした。
彼女は、水谷先生の本を読み、先生なら信じてもいいかもしれないと思ったそうです。
そして勇気を振り絞り、先生に長い手紙を書きました。
先生は、その手紙を読みこの子なら助けられるかもしれないと電話をし、手紙を書きジュンを励ましました。
ジュンがどうなったのかなどの結末は、皆さんに読んで知ってもらうこととし、感想を書きたいと思います。
まず私のイメージで薬物は確かに危ないものだが、頑張って強い意志があれば薬物依存症から抜け出せるというものでした。
現にメディアで薬物から抜け出した人の特集、また海外で薬物逮捕者がいますが、保釈金を払い、麻薬なんかなかったかのように暮らしている人がいます。
本書を見て私の考えは間違っていて、薬物依存者に本当の終わりは死ぬまでないのだと思い知らされました。
ジュンは、先生にいくらアドバイスをもらっても実行せず、病院に行ったほうがいいといわれても何かしら理由をつけ断りました。
また先生の促しには、話題の転換をし、素直に従おうとしません。
我々からみて、明らかにジュンがすべきだったことは、先生のアドバイスに従うこと。
そうすれば少しずつ少しずつ薬物から離れていくことができたはず、ということができると思います。
先生の思いは彼女に伝わっていたのでしょうか?
私は、彼女の心に先生の気持ちは伝わっていたと思います。
しかし頭と体には、それが伝わらず、覚せい剤から抜け出せない日々が続いたのでしょう。
薬物は、服用すると直接脳の中枢を破壊し 頭の機能を奪います。
ドラック依存から抜けたすためジュンは先生に助けを求めました。
これは、薬物依存から依存対象を恋人や頼れる人に移すことで薬物から足を洗おうという行為です。
「水谷先生は、信用できて私の大切な人。大好き。」
そうジュンは、手紙に書いていますが、この大好きという言葉の重みに私は息をのみました。
先生は、このように依存対象となることが多く、何度もこのような体験をしていることでしょう。
薬物から断つため底つきが必要になります。
何とかしようと先生は働きかけました。
しかしイネイブラーになる恐れがあり、実際そうなりました。
甘えから薬を使い、突き放したら自暴自棄になり、薬物をさらに使用することになる。
先生が、薬物中毒者の一番いい行き場は、刑務所や精神病院だとおしゃっていましたがその通りであると同感しました。
