障害のある息子が障害者モデルのオーディションに参加した話。 | GO!MARY アラフィフ女のひとりごと

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日々の個人的な感想だったり。出来事についてです。備忘録的なトコもあるかも。夜中に変な願望を書く癖もあり。あんまり深く考えず書いてしまう癖有り。温かい気持ちで読んで頂きたい。

夕暮れの川沿いを歩く。


テレビでなんの気なしに目に留まった特集で障害者モデルをやっていた。。

知的障害やダウン症の方たちがキレイな衣装でパシャパシャと写真を撮られてポーズする。。


多様性、、個性を生かして、、障害があっても、、世界を見据える活動、パラリンピックに出演、発掘、、育成、、

なんとなく拾えた言葉たちに息子と私が興味を持った。


次の日の学校帰りにブラブラ歩きながら写真撮って送ってみる??と聞いたら、やる!!というので、家の裏で、学校の制服で上半身と全身の写真を撮り、送ってみた。。


後日、メールが来て、書類選考の結果、書類審査を通過いたしました。面接にお越しいただきたいのでご連絡ください。と書いてあった。


指定された日にちは割とすぐで、持ち物に複数枚の写真とあったので、慌てて写真館でちゃんと撮ろうと探したけれど、予約が取れずに近所のセルフスタジオに駆け込んだ。。


モデル、オーディション、持参する写真、服装、ポーズ等の単語を入れて急いでググり、、調べる。。


ジーパンはNG、ダボっとした洋服もNG

身体のラインがわかる黒いパンツか生地のしっかりとした細身のチノパンにジャストサイズの白Tと書いてあったから、急遽買いに行って、そのままスタジオに撮影しに行った。


模試が終わって合流したお姉ちゃんと、どういうポーズを取らせるか、表情を沢山引き出せるか、赤ちゃんをあやしながら取る写真館の人の如く騒がしくご機嫌をとって、それなりに棒立ちで無表情を回避出来た写真が撮れた。写真館の方も小道具を持って来てくれたり、こうしたらどう?とアドバイスしてくれた。データでもらうシステムだったので、すぐに印刷できる所に行き、光沢か光沢なしか、サイズはどうしようか家族で色々ググりつつ、選んで準備した。


学校終わりの夕方から面接だったので、早めに連絡入れておこうと面接が決まった時に、訪デイをお休みする旨を伝えた。どうしてお休みするんですか?と聞かれたので、コレコレこういう経緯で面接する事になったので、とモデルの話を放デイの代表の方に話したら、苦笑いで、できる環境にいるんでしょうから、新しいことを色々やるのも良いですけど、無理させないようにして下さいねと言われた。。


いつもなら、色々チャレンジする時に、あーそう!頑張って。とか、出来たら良いねと優しく話して下さるので、その感じで軽い気持ちで軽く応援してくれると思っていたので、ちょっとショックだった。。

金持ちの道楽かミーハーの極みみたいに映ったんだろうな。お金持ちでもなければ、息子のやりがいを見つけようと必死に色々足掻いているんだけどな。。モデルというと、調子に乗ってる感があるのだろうか、、、



とりあえず、何に適性があって、何で才能が花開くかわからないので、やってみよう。本人も喜んでいるし。。

もう一度ホームページをチェックする。

個性、障害者でも、国際的に、支援、育成、、

なんとなく夢と希望に溢れた文言ばかりが入ってきて、ダメで元々!やって見なくちゃわからない!と謎に前向きな思考になる。


本当に適性がありそうだったら、そんな良いことはない。自分の子供にどんな才能があるのか見つけられたら幸せだと思うから本人がやりたいならチャレンジしよう。そう、自分に言い聞かせて、私が何かネガティブにならないように明るく楽しくやって見ようと思った。


当日、学校から帰ってきて慌ただしく準備する。

洋服を着替えて、髪を整えて、写真を持って、障害について聞かれるかもしれないから、今までの息子の障害に関する書類を持って、面接の時は土足禁止の場合もあるから、室内履きを持っていけとググった情報にあったので、それらをカバンに詰め込んで、急いで向かった。


10分位前についてしまい、エントランスでそれらしき会社の名前を確認。会社名がメールの名前とちょっと違うけど合ってるのか不安なまま、3分前に玄関前に上がって、受付を済ませる。ここで合ってた。良かった。。


前の方が押していて、別室で待機して下さいと通される。15分位して、息子が落ち着かなくなった頃、前の方であろう家族が帰っていく陽気な感じの話し声がする。


しばらく待って、なんだかザワザワし出した。

代表の方と思われる方が大きな声で、なんだ!来てたの!!と言っている。。

別室に通された私たちはスタッフさんに忘れられていたみたい。。電話したんだけど、、と言われる。。

スタッフさんたちに苦笑いで早く行ってと促される。

携帯はマナーモードにしてバックの中にいれておいたから着信に気が付かなかった。


面接会場に通される。。前の方と違って空気がめちゃくちゃ重い。。

多分第一印象はこれで最悪だろうと思う。

私たちが遅刻した訳ではないけれど、時間に居なかった人と思われている。。

こういうのが、運の要素だったりするのかな?とも思った。


息子が緊張で一言も話せなくなってしまった。。

インスタのフォロワーは何人いますか?

フォロワーは1000人以上いないと話になりません。

息子さんはどういうモデルを目指してますか?

親がいなくても他の人の指示でちゃんと動けますか?

カメラ目線出来ますか?

ランウェイを真っ直ぐ止まらずに歩けますか?


矢継ぎ早に質問が飛ぶ。惨敗だった。。

終始固まる息子。軽い気持ちで知識不足のまま来てしまった私。。


携帯自体、GPSと緊急連絡が出来る練習用に最近持ち始めたばかりだし、SNSはチャイルドロックかけているからやった事もない。


モデルにも種類というか、色々あるらしい。明確な違いまで私も把握していなかった。ランウェイ、、歩いた事ない、、明らかに勉強不足だった。。

最初から親がいなくて指示は聞けないと思う。まして、理解が難しい方だし。。文字や数字も読めないし。。


写真も構図も衣装も最悪との評価。

何が見せたいの??レベルだったらしい。。

ググった情報は本当に何一つ役に立たなかった。。。

ビックリするぐらいあてにならなくて、正直にググって調べた通りにやって見ましたが、とても勉強不足でした。申し訳ありません。と謝った。。


やっぱり、来るんじゃなかったかな?

息子これで傷ついちゃうかな??

と心配になる。。


代表曰く、

(私のゼロ知識の解釈になってしまうけど、違う意味で言ってたら申し訳ない)


健常者でもモデルになるのは大変な事で、障害者だから特別に許して貰える事なんてない、、

だからこそ、努力した人が評価されて、健常者でも障害者でも同じ賃金をもらう事が大事。

出来ないばかり言う方が多いけど、本物の体験を沢山積み上げて、10年でも20年でもやれる様に努力する事に価値がある。

でも遊びや習い事ではなく、仕事だから出来ないは通用しない。。


みたいな話をしてくれた。。

それは、そうだよな。と凄く納得したし、オーディションという経験も面白かったんじゃないかと思う。


事務所のパンフレットや登録の為の契約書をもらって面接は終わった。。


帰り道にスーパーでサンドイッチを買って、川沿いを歩きながら食べる。。

どうだった??と聞いたら、一気に緊張から解放されたのか、すごかったね。とだけ話してくれた。

まだやってみたいと思う??と聞くと、来週まで考えると予想外の答えが返って来た。。


とりあえず、緊張したし、すごかったし、楽しかったねーと、夕暮れの川沿いをボリューミーなサンドイッチを爆食しながらトボトボと帰宅した。。。