【塾員クロスロード】 櫻井 哲夫:ベーシスト人生 | ねぇ、マロン!

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おーい、天国にいる愛犬マロン!聞いてよ。
今日、こんなことがあったよ。
今も、うつ病と闘っているから見守ってね。
私がどんな人生を送ったか、伊知郎、紀理子、優理子が、いつか見てくれる良いな。

曽田歩美様に頼んでマロンの絵を描いていただきました。

【塾員クロスロード】櫻井 哲夫:ベーシスト人生

三田評論ONLINEより

  • 櫻井 哲夫(さくらい てつお)

    ベーシスト・1981商

高校の頃、結成した「カシオペア」というバンドで、大学2年の時、アルバム・デビューしてから、今年の5月で45周年。中学校の頃から好きなことをやり続ける人生を考えながら、慶應義塾志木高等学校に入学。大学時代に海外レコーディング含む5枚のアルバムを発表し、卒業後そのままプロ活動。ぶれない人生を歩んでいます。このまま最後まで現役活動続ける為に日々精進。

振り返ってみると、やはり、人生山あり谷あり。でも、自分の好きなことで、人が喜んでくれることを貫いていれば、何が起こっても、あまり問題ではありません。バンドメンバーが変わったり、金銭的な収入が多かったり少なかったり、気にすれば気になりますが、気にしなくても生きていけるレベルであれば、気にしない方がやりたいことに集中できます。

僕の音楽活動はシンプルで、感動を描いて作曲し、コンサートの成功を信じて練習し、ベストを尽くして公演終了。共演したい人を決めて、創作活動と公演活動の繰り返し。共演したい人は、ブラジル人でもアメリカ人でも強い願望を抱いて心に描くと大抵実現できます。音楽活動は、基本、チームワークになるので、全員が同じ方向に向かって力を合わせ、良い人間関係が整うと足し算ではなく、かけ算の結果が生まれる場合がよくあります。そんな喜びの瞬間を共演者やスタッフ、観客と共有できた時、それまでの苦労は消えてしまいます。このささやかな幸せの瞬間を積み重ねて45年。観客の数が数十人でも、数万人でも、迷わず怖れずベストを尽くして前進するのみ。ベースを弾き始めた、13歳の頃に描いた人生は、66歳現在の心境まで測り知ることはできませんでしたが、経験を積み重ねた今、毎日をベストで過ごすために、50年以上演奏し続けている心と身体の管理に、細胞レベルの意識が働いています。

60を過ぎて、80年代「カシオペア」の活動を共にした、ドラマー、神保彰、キーボーディスト、向谷実と「かつしかトリオ」というバンドを結成。20代の10年間、海外録音を含む、多数のアルバム制作や、国内外のツアーを共にした兄弟のような音楽仲間との音楽活動再開は、非常に楽しく、多くの音楽関係者、ファンの皆さんの支持を得て、活動の規模が年々拡大。長い時を経て、不思議な宇宙の力を感じています。

 

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。