900人ほどの大規模化した学校に勤務していたときのことです。分離することが決まりました。そこで、新築校の備品や消耗品を全てピックアップして、教育委員会へ申請することになりました。
私は、視聴覚と理科を担当しました。みんなも、自分の担当している教科で、200項目以上の品番と価格を入力していました。すると、視聴覚のビデオを決める時、4Kのビデオを選んだところ、みんなに「ダメだよ、高すぎる。」と言われました。
私は、「今の学校の備品は、家庭にあるものより安くて、質が低いので、子供たちはおもしろいって感じられないでしょう。昔の学校には、家にピアノがないときに大きなピアノがあって、それを見るだけでもいいから学校へ行きたくなったんだよ。最先端のものを置けば、子供のテンションは上がるでしょ。一番いいものを選ぼうよ。」と言いました。
すると、みんなは、自分の担当しているものを見なおして、廉価版ではなく、いいものに変えていました。子供に、いいものを触れさせたいという気持ちが伝わったようです。
実際に、計上しても却下されるかもしれないけれど、初めから諦めていては、何も変わらない。一つしか通らないかもしれない。
本物が一つあるだけで、子供の目の輝きは変わります。
このことを納得して、選び直ししてくれた同僚に、感謝したのを思い出します。(その後、私が選んで計上したものは選ばれたそうです。)
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今、文科省では、一人ひとりにパソコンやタブレット型教科書の導入を検討しているようですね。どんな職業につくかわからない子供に与えるものは、その職業についた時に使えるスペックのものを選んでほしいなと思います。
「最低限この分あればいい」というのではなく、世界にはこんなにいいものがあって、「みんなは、これを使いこなす知識やスキル、情報処理能力や専門知識を段階的に身につけるんだよ。」って言って、子供を本気にさせてあげたいです。
え?指導できる教員がいない?
未来を担う子供を育てる力のある教員に交換すればいいだけです。教員養成大学のカリキュラムを再構築すればいいだけです。
教員は、一度採用になると、免許更新はありますが、勉強をやめてしまう人が多いのが実態です。ハウツー本にだけ頼り、勉強をしているふりをしているだけです。
一般企業で、そういう社員を残しますか?取り柄のない社員は、リストラされますよね。学校もそうしたらいい!
出る杭は打たれる職員室では、力のある教員をたたいて引っ込めような圧力が加わり、うつ病になってしまうケースが多々あります。
「国家百年の計は教育にあり」
「教育は国家百年の大計」とも言われ、人材育成こそ国家の要であり、また長期的視点で人を育てることの大切さを説いた名言として知られています。(出典は中国春秋時代の政治家で思想家でもある管仲の著作『管子』と言われている)
学校問題を取り上げて叩くだけでなく、せめて十年先を見据えて人材育成に臨む時期だと思います。
学ぶ教師のもとで、学ぶ子供が育つ。