いわゆるイケオジなんかではなくとも、還暦を超えたら、どこか熟練した感じの容貌になるかなと期待していた。
が、そうはならない。なんとなく安定感がなく、中途半端な感じ。
これは、なにかを達成した感覚、業績がないからだろう。
賞がつくものを受賞したしたことがない。
最高峰では、サントリー学芸賞とか、読売文学賞、学士院賞とか、そんなものは取れるはずもないのだが、ほんとうにマイナーな賞もなにもない。
ついでにいうと博士号もとりそこねた。
今の若手は全員、博士号がある。立つ瀬がない。
最近、こんなはずじゃなかった感が顔を持ち上げる。
定年まであと6、7年だからかもしれない。
定年後に大部の本を書く教授もなくはない。
それは蓄積があったからで、毎日BLを見ているだけの私には無理だ。
こんなはずではなかったもなにも、あまり明確なヴィジョンなどなく生きてしまった感がある。
Ignoranti quem portum petat nullus ventus est.
どこの港へ行きたいのかわかっていない人には、(船を走らせる)風は吹かない。
こんなラテン語を暗記していても、実生活に生かさなくては何の意味もなかった。
私はどこの港へ行きたかったのだろうか。
行きたい港がしょっちゅう変わって、ぐるぐる回ってしまったような気もする。




