もう十数年はゲイバーに行ってない。
渋谷に毎週行っていた時期がある。
今頃、さつきがー、とか、サナエが、などと、みんな生半可な知識で政治談義でもしているのだろうか。
振り返ると、私から誰かに話しかけるなんていうことは一度もなかった。
カウンターの中の人には話したかも。
そもそも酒が飲めない。中国茶やノンアルコールビールを飲んでいた。
店にとっては利益を生まない客だ。
もちろん眉間に皺がよっているから、誰も私に話しかけてこない。
横に座っている客に私の眉間が見えるのが不思議であるが。
それはともかく、ゲイバーは自分の存在確認のようなところがあって、ゲイが数人いるところに行くと安心するものだ。
普段は偏った考えの、女の話ばかりする極度な異性愛者に囲まれて生きているから。
しかし、還暦を越え、もはや遠方までわざわざ行く気力はない。
上野も新宿も新橋も1時間以内で行けるが、心理的に遠方だ。
地元に一軒欲しいところである。

