ある人が、ある外国へ行って医療相談を受けている。
ホテルで相談をうけるだけで、もちろん医療行為はできない。
しかし、口コミで富裕層が長蛇の列らしい。
県知事夫人、なにかの億万長者、CEOが息子の病気の相談。
どうもこの国の人は自国の政府を信じず、医療にも不信感があるらしい。
日本から来たというとなんとなく箔がつくらしい。
富裕層はとくに日本の医師のアドヴァイスを受けたいのだという。
それはともかく、この人は、クライアントに連れられ、あらゆる接待を受け、マーケットに出ない高級な茶(500g 20万円とか)をもらい、普通の日本人が絶対行かれない催しへ参加したりしている。
私は文化研究なんかしているが、資料しか読んでいなくてはあまり意味がない。
フィールドワークが必要。
こういう人は、文化研究の素人だが、外国人の行かれないところへ行くことができるから、研究者もかなわないことになってしまう。うらやましい。
結局はカネと権力だ。
還暦を超えてそう思うようになっている。気づくのが遅すぎた。
それはともかく、この人は、見たところどう見ても英国人の前世だと思われるのに、こうして突如、アジアへ縁ができてしまうのは面白い。
人生にはステージがあって、それがガラッと変わることがある。
私にしても元来はヨーロッパ研究であった。いまはあまり興味がなくなっている。






