あんな迷惑なものはない。
仕方なく出席にしたが、出てくる人は、みんなうんざりしているのが目に見える。
もっと醜悪なのは、退官記念論文集、還暦記念論文集、古希記念論文集とかいうものだ。
当然こんなものは売れないので、弟子や周りの人が買い取る羽目になる。
パーティー出席と込みになっていることが多い。醜悪すぎる。
やることが、まるで不潔な政治家だ。
それはともかく、こんな迷惑なことをやる者が、ほんとうにどうしょうもない教員であるのは明らかだ。
その証拠に、私の指導教官ではなかったが、世界的にも知られた教授は、最終講義と退官記念論文集を弟子たちに打診され、そんなのは要らないから、野球大会をやろう、と言ったものである。
院生、教員で本当にグラウンドで退館記念試合をやったらしい。
こういう素晴らしい先生はまれだ。
だいたい業績も大したことのない奴が記念論文集なんかを出したがる。
自分の薄っぺらな存在を、記念論文集や、最終講義をやって確認したいのだろう。
もちろん私は弟子もいないし、打診されることはないが、万が一誰かに打診されたら、絶対にやめてくれ、と即答する。
野球大会も、まして立ち食いの宴会も興味はない。
しかし、古希記念に、挨拶、スピーチとか一切なく、ただひたすら食べまくるパーティなら開いてもよいと思っている。
挨拶があるなら開かない。あんな迷惑なものもない。昭和の遺物だ。
もちろん全額私が負担するつもりである。