時々、人がいない時間帯に立ち読みしていたが、ある日、どう見ても教授に見える恰幅のいいおじさんが、『アドン』だか『薔薇族』を読み始めた。
その人が買って店を出たので、興味深くなって尾行すると、すぐ近くの大きな松の木のある邸宅へ入った。
大きな表札が出ている。教授に違いない。会ったことがないから、法学部だろうと思い、とある名簿で苗字を調べると、この辺りの住所に、この苗字は1人しかいない。
職名を見ると、○○大教授と書いてある。
この時、あー、大学教授でもゲイでいいんだ、とかなり心が楽になった気がした。
クローゼットではあるが、現物を見たことは私的には大きいことだった。もういまは生きていないだろう。