最初のお客様 | サブランドへの航海図
初めて書く話です。

今日、ふと自分が独立したとき、最初に来店されたお客様のことを思いだしました。

23歳のころ、南紀白浜で海の家をオープンしました。といっても小さなトラックにカウンターを付けて、8席の椅子を置いただけのこじんまりとした屋台です。

海の家ということで夏限定のオープンです。2カ月のみ。冬になると海は閑散とするから営業は出来ません。

最初のお客様は友達でも知り合いでもなく、大阪からビーチに遊びに来た1組のカップルでした。

当時の僕より、少し年上のカップルでした。

「沖縄料理の屋台だったので、昔行った沖縄が懐かしくなって来てみたよ~。」と男性が言いました。僕は、「今日がオープン日で最初のお客様がお二人です。」と言ったところ大変喜んでくれました。(実はオープンは夕方からでたまたま仕込みや用意をしていてお昼に屋台にいましたが1円でも売り上げを上げたいので店を開けました。)

じゃあ一緒に飲もう!ということでオリオンビールをおごってもらったのを覚えています。真昼間から鬼酔ったのも覚えています(笑)その後、夕方からもバンバン飲まされて記憶が飛びました。

いろんな話をするうちに決して裕福な方たちではないというのを感じました。それでもオープン日だからとたくさんのお酒を僕におごってくれました。そのときおごってもらったことを思い返すと鮮明に蘇ってきます。履いていた海水パンツの色も(笑)。あのカップルが最初のお客様で良かったな~と。

オープン日、最初に来るお客様というのは決して忘れないものなんですね。

翻って、すべてのお客様にそういう感謝の思いで接することが出来れば流行らない店はないですね。

今日、そんなことをふと思い出し、少しセンチメンタルになりました。という話です。

オチなし(笑)

おしまい。