ライオンの顔を持つ少年 | 何でもアル牢屋

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毎月送られてくるイッツコムの番組雑誌を読む時、真っ先にチェックするのが映画番組の欄。今月は何を放送するのかなと見てると、「またかよ!」と思うほど、よく目にするタイトルがある。1994年制作の「マスク」と言う映画。
ジム・キャリーと言う俳優のコメディ映画なんだけど、この映画の見所はギャーギャーうるさいジム・キャリーよりも、デビューして間もない可愛いキャメロン・ディアスを観る為の作品でしかない。昔のキャメロン・ディアスの雰囲気は、日本の長澤まさみと似てるなと思うのは私だけか。
所で、94年のマスクよりも前に、同名タイトルのヒューマン・ドラマ映画が85年にアメリカと日本で公開された。この映画は、どの程度取り上げられているのか?と検索を掛けてみると、意外な程少ない。数えるほどしかレビューされていない。40年も前の作品だし、近年、再放送もされていないので、埋もれてしまった感が拭えない。
この映画についてのウィキペディアはあった。ストーリーや概要はコッチを読んだ方が早いと思うので、此処ではウィキで書いてない事を書こうと思う。

 

80年代はヒューマン・ドラマの宝庫だった時代

 

ざっと、80年代に作られたヒューマン・ドラマ映画を時代系列で並べると以下の様になる。

80年:エレファントマン

85年:マスク

87年:ケニー

88年:レインマン


探せばもっと有るかも知れないが、比較的、日本でも知られた作品としては、この位ではなかろうか。
今回取り上げる作品は85年公開の「マスク」で、どう言った作品なのか?を説明すると、頭蓋骨幹異形成症と言う頭骨に障害を負った15歳の少年の生涯を描いた作品。病気の別名はライオン病と言う。
この作品は小学生か中学生の頃にテレビ映画で初めて観たが、ライオン病と言う響きが凄く印象に残った。ライオンと言うのは百獣の王と言われる動物のライオンの事なのだが、何故、ライオンなのか?つまり、頭蓋骨の異常な発達と変形によって人間の顔がライオンの顔の様な目鼻立ちになる。獣人と言う意味合いではなく、顔にある部品の配置がライオンの顔を彷彿させると言う意味で付けられた。
実話であり、ロッキー・デニスと言う実在した少年をモデルに制作された。此処では乗せるのを控えるが、ネットで検索すると実在のロッキー少年の画像が出て来る。映画で実話のどの部分が描かれたかは知る由も無いが、作品では詩人の様に知的で勉学も優秀な愛されるキャラとして描かれている。
上に並べた障害者を扱った映画は全て、実在の人物がモデルになっているのも特徴的だろう。それだけに作る側からすれば茶化しは許されない。そこに笑いの要素を持ち込むのは言語道断で、だからと言ってシリアス過ぎても作品として成立しない。御涙頂戴を目的にしたドキュメントであってはならないと言う事。

 

 

歌手なのに演技が抜群に上手いシェール

 

マスクでロッキー少年の母親を演じるのがシェールと言う人で、作品の中でオーラのある存在感を出している。
私は、この作品を観たのが少年の頃だったので、作品の中のシェールは女優さんなのかと思っていた。有名な歌手だと知ったのは大人になってからで、余程の洋楽通でもない限り知らない人の方が多かったのではないか?
この映画の吹き替え版は一つしか無くて、淀川長治が解説していた日曜洋画劇場で放送したバージョンだけ。このシェールの声を当てたのが日本の女優・秋野暢子で、非常に良かった。決して上手い吹き替えではないのだが、何とも味がある。この吹き替え版を観てると、この作品のシェールの声は秋野暢子しか居ないだろうと言う唯一無二の感はある。
終盤、息子のロッキーが朝になっても二階から降りてこない事に何か不吉を感じ、何かを察する様に二階のロッキーの部屋に入っていくシェール。ベッドに横たわっているロッキー。寝息も聞こえない。ピクリとも動かない。部屋に入ったシェールはジッとロッキーの姿を見つめ続ける。無言と静寂の空間でロッキーの身に何が起きているのかをシェールは感じているのである。そこからのシェールの演技力は観る者の涙を誘う。吹き替えの秋野暢子もシェールと一体になったかの様な声の演技を見せてくれる。

 

ロッキー少年を演じたエリック・ストルツと言う俳優について

 

エリック・ストルツは日本では馴染みの無い俳優だろうと思う。一番判り易い作品の一つが「ザ・フライ2 二世誕生」で主役を演じた青年と言えば判るだろか。私は海外ドラマをよく観ていたので、医療ドラマのシカゴホープなんかも比較的メジャーだと思う。
生年月日は1961年生まれ。マスクは85年作なので、当時エリックは24歳。その24歳の青年が15歳の少年を演じた。劇中のエリックはライオン病の特殊メイクで顔のバランスが崩れているのは仕方ないとして、気になったのは24歳とは思えないほど華奢な体格をしているのが驚き。どう見ても中学生、高校生くらいの体型にしか見えない。この作品の為に華奢な体型を作ったんだろうか?真相の程は不明。或いは体系が華奢な俳優と言う理由で選ばれたのかもしれない。

 

障害者映画の火付け役になったのは80年公開のエレファントマンだったと言っても過言では無いだろう。世界で最も知られた作品だと思うし、何よりも人生を考えさせられる。

「貴方にとって、生きるとはどう言う事だと思いますか?」

実の所、そこが一番のメッセージとも言える。障害者には障害者にしか判らない世界があると、普通の人達は考える。だから普通の人は障害者に対し気を遣う優しさを持つ。障害者にとって優しい気遣いがダメージになる場合もある。
障害者は普通の人に何を求めているのか?彼等の大半が普通の人と同じ様に扱って欲しいと願う。多くの障害者は疎外感を感じている。エレファントマンにしろマスクにしろ、共通して描かれているのは、その核となる部分なのである。

 

 

 

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