愛される俳優・山下真司。少年達は何故、スクールウォーズに魅せられたのか! | 何でもアル牢屋

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1984年、多くの日本人が一人の役者に魅了された。山下真司スクールウォーズの滝沢賢治先生である。
最近、BSのテレビ番組でスクールウォーズの再放送を観る機会があり、全26話、食い入る様に真面目に観た。多くのメディアで語られる有名過ぎる名場面も、次に何が起きるのか判っていながらも、思わず息を殺し、瞬きすら忘れ、見入ってしまう。一体、この山下真司の圧倒的な存在感は何なんだろうか?何故、滝沢賢治に人は魅了されたのか?これを観た後、山下真司と言う人物に好奇心が湧かない筈がない。

 

 

彼の役者としての経歴を見ていると、その殆どがスクールウォーズの影響を受けている事が伺える。それ以前に、刑事ドラマ「太陽にほえろ」のスニーカー刑事を演じているが、ハッキリ言って滝沢賢治と言うキャラはスニーカー刑事を凌駕している。
ある作品では、山下真司演じる刑事の役名が滝沢と言うのも偶然ではあるまい。明らかに制作側が狙ったとしか思えないし、共演者の一部がスクールウォーズに出演した俳優と言うのも偶然ではあるまい。どう言う事かと言えば、山下真司は愛されるべき俳優であり、永遠の滝沢先生なのである。

時代がVHSのビデオからDVDに変わり、スクールウォーズもDVD化され、レンタルで全巻視聴した私だが、特典のコーナーで山下真司や生徒役の松村雄基のトークが収録されており、当時の撮影秘話や共演者との想い出が語られる。一番の驚きは、山下真司がラグビーのラの字も知らなかったと言う事実で、当然ながら用語も全く判らないのだと言う。そんな事実を聞かされながらも視聴者は納得がいかない。だとしたら、あの迫力や存在感は、どう説明すればいいのか。作品の中の山下は、完全無欠のラガーマンなのである。どう見ても、そうとしか思えない説得力がある。
それこそが役者の持つ力なのだとすれば、山下真司と言う俳優は、レベル的には、どの辺に位置している俳優なんだろうか?大御所や天才と言う位置付けではない。ある種の圧倒的なキャラで魅了する点で言えば、森田健作に近いんだろうか。両者の共通点は<熱血>と言うキーワードではあるが、それだけでは割り切れない何かがある。

スクールウォーズから後年、山下真司は各方面でスクールウォーズ絡みのテレビ出演やイベントで、滝沢賢治のキャラを笑いに変える傾向があるが、内心どう思っているのかまでは判らない。仕事として割り切っているのか、仕方なくやっているのか。
一つ判るのは、山下真司と言う俳優にとって、スクールウォーズと言う作品が無かったとしたら、今が無いのかも知れないと言う事で、例えば最近、バラエティー番組でよく見かける藤岡弘と言う俳優も、初代・仮面ライダーと言う肩書きが無ければ、メディアから相手にされない気取り屋の変なオジさんとしか見られないだろう。藤岡にとっても、仮面ライダーと言うキャラは利用すべき絶対的なモノである筈で、その点では藤岡弘と山下真司は似ているかもしれない。

スクールウォーズの話題に戻ると、放送が84年と言う事は、昭和50年生まれの私は9歳の少年だった訳だが、リアルタイムでは観てなかった。何処で観たのかと言えば、小学校から帰ってきて、夕方枠の再放送で観ていた。私の世代は、そういう人が大半ではないかと思う。
で、どう感じたのか?と言えば、何故か薄ら笑いを浮かべながら観ていたと言うのが記憶で、その薄ら笑いが何処から来ていたのか想い出すと、やはり絵的な面白さだったのではないかと思う。例えば、オープニングで麻倉未稀が歌う主題歌に乗せて流れる映像などは強烈なインパクトだった。本屋で堂々と万引きしてる最中、止めに入る店員が眉毛の無い怖い不良に殴られてる場面とか、テニスコートで部活に励む部員に、バイクで乱入して荒らし回る場面であったり、小沢仁志が演じる水原の兄貴分の藤堂さんが滝沢に放つ、リズミカルなパンチだったり、水原の子分だったがまともな人間に成長する内田と言う厳つい生徒が、学習ノートに同じ漢字をビッシリ書き込んでいたりするシーンなどにしても、子供ながらに感じる<何か得体のしれない絵的な面白さ>の要素が盛り込められている訳である。
シリアスの中に笑いがあるのか、それとも、笑いの中にシリアスがあるのか。このボヤけた所がスクールウォーズの魅力の一つなんだろうと思う。

改めて観ると、全26話と言う回数に不思議感を覚えた。何だか、もっと長く感じるのである。この感覚は何故なんだろうと考えてしまう。
84年10月6日から85年4月6日までの2クールが放送期間だった訳だが、子供の頃に観た感覚だと、半年以上やっていた様な感覚がある。実際そんな筈はないのだが、不思議である。有名な109対0で大敗し、滝沢がロッカールームで生徒を殴り倒すシーンは、随分後半の様に思えたが、実際はかなり前の回だった。名物キャラだったイソップと言う綽名の生徒が登場し、死ぬまでの回も意外に短いなと感じた。子供の記憶は曖昧でアテにならないと言う事なんだろうか。

 

そして90年。前作から6年後、まさかの続編「スクールウォーズ2」が同局のTBSで放送された。あの滝沢賢治が帰ってきたと言う宣伝文句は中々の衝撃だった。
学園モノから一変、舞台は少年院になり、その少年達にラグビーを教えると言う話。率直に何故、少年院の少年にラグビーを教えるんだろうと言うのが最初の印象だった。前作のスケールと感動には程遠く、1990年9月4日から1991年1月8日と言う有り得ない中途半端な回数で終了し、物議を醸したが、丸山みゆきが歌う主題歌の「FIRE」だけは偉いカッコ良く、作品から浮く様に印象に残っていく。この主題歌を聴いていると、前作に対するオマージュ的な要素を感じさせてくれる。ロックな感じと、麻倉未稀っぽさが何処となく見え隠れしているのである。
実の所、これを書いている日にBSで「スクールウォーズ2」の再放送が始まる。DVD化もされていない、この作品。ハードディスクに保存しながら存分に懐かしさに浸ろうと思う。

 

 

 

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