自律神経は怒りで狂い出す! | 何でもアル牢屋

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前回の延長線上の話題なんだけど、最近の関心事の一つに<自律神経>と言うキーワードがあって、自律神経は何故、乱れるのか?どう言う時に乱れるのか?そんな事が気になって、本屋で一冊の本に出会った。<自律神経が整う期待しない健康法>と言う本。著者は順天堂大学・医学部教授で、日本スポーツ協会公認スポーツドクター・小林弘幸先生。前書きによると、小林先生は30年以上に渡り、自律神経の研究をしているのだそうだ。
キャッチフレーズの<期待をしない事>と自律神経が、どう密接な関係があるのかを理論的に解いている。なるほどな!と思わせる説得力があった。そもそも期待とは何か?と言う点で、期待の正体は<自分の身の回りは、こうあって欲しいと願う他力本願の事>らしい。そして期待が裏切られた時に自律神経が乱れ、体調は悪化する方向に向かうのだと言う。例えば他人に対するムカつきやイラつきは何処から来てるのかと考えると、自分とは違う考え方や生き方をしている事に対する<期待外れ>から来ている。この理屈で行くと、SNSで毎日の様に有名人を叩きまくってる人達は、絶えず怒りで交感神経が興奮してて体調不良の奴等が多いのかもしれない。そのくせ、何故、体調不良が起こったのか自己分析もしないで心療内科へ飛び込んで「自分でも原因が特定出来ません」とか言い出す。で、振り返ってみれば毎日の様に怒りを爆発させて、ネットで中傷の書き込みをすると言う悪循環。


怒りは本能的な感情なので排除する事は出来ない。しかし意識的にコントロールする事は出来ると小林氏は説く。怒りを感じ始めた時に最優先にすべき事は<口を閉じる事>。怒りを言葉に変えた瞬間から交感神経は過剰に興奮するらしい。

怒りのコントロールとは黙る事であり、怒りを言葉に乗せない意識を持つ事によって怒りの感情は半減され、やがて消失していく。怒りは瞬発的なものなので、一定時間、耐え凌げれば交感神経の興奮を鎮める事が可能なのだそうだ。怒りの沈め方についてテレビメディアでも特集していたが、数を数えるとか、30秒動かずじっとするとか、他にも色々あるようだが、言葉を発しない事による怒りの鎮静法は、この本で初めて知った。しかも自律神経と怒りの感情が密接な関係であった事も今まで知らなかった。

自律神経失調症には二つのタイプがあるらしい。一つは心因性からくるもので、怒りの状態が長く続く事によって交感神経の暴走が習慣になって起きるタイプで、二つ目は生活環境が乱れがちな人。

一般的には二つ目のタイプがオーソドックスな感じなのだが、近年の自律神経失調症は類が違ってて現代病の様に蔓延しているのだと言う。日本の都市化も要因の一つだろうなとは思う。都市化すれば人も変わらざるを得なくなる。より細かく神経質に動かなくてはならない。他者から要求され期待される。期待に応えられなければ自信を無くし、最悪、死ぬ道を選択する人も居る。世界と言う言葉がやたら好きな日本は、遅れてはならない意識でハイテクを追い求め、反面、人は置いてけぼりにする。
ネットでおかしくなっている人達も居るらしい。私の好きな作家・平山夢明は、ネット・サディストと言う言葉を使っていた。その該当者は日々のネット記事に一々、得意気にコメントをしに行く人達で、へまをやらかした有名人に正義の鉄槌を下すかの様な意識で御叱りコメントをして悦に入っているのだと言う。それって、今日も一仕事終えたって感じなんだろうか。
 

所で、本の著書の小林先生は気になる事を書いている。怒らない人の下には人が集まる。つまり人気の事だろうか。なるほど、そう言えばそんな様な気もする。

人の悪口を言わない有名人は不思議と徳が高いのかもしれない。そして、そんな有名人は他者からも中傷をされない。思い当たる有名人が頭に浮かんでくるが、此処で書いてるとキリが無い。一つ例を出せばメジャーリーグの大谷翔平だろうか。まるで毒気がない。人がムカッと来る事も言わないから叩く所も無い。あの若さで達観しており、あれだけの雑音の中で、どうすればあんなに穏やかに居られるんだろうと秘訣を聞いてみたい。大谷翔平の自律神経は最高の健康状態なんだなと思うしかないだろうね。