前回の話






娘はベットに横になる事はできず、ベット用の机を前に置いてそこに頭を置いていました。




私は一晩中、娘の背中を摩り続けていました。




やっと、やっと、外が明るくなり始めました。


先生に見てもらえば何かしてくれるはず…




それだけが希望でした。




朝早く、昨日の夕方に担当してくれていた看護師さんが見に来ました。



娘の様子を見ると

「もしかして、昨日入院した時からまだ変わらずですか!?」


驚いたように言いました。




私は

「そうです。苦しさも酷くなって…

先生を待つように言われてます。」




看護師さんは

「先生いるか見て来ます!」

と病室を飛び出しました。




帰ってきた看護師さんは

「先生は今処置中だから終わり次第きます。」

と言いました。




やっとだ…娘を見てもらえる…

地獄から抜け出せる。



と心の中で思いました。








しかし、処置が長引いているのか先生は中々来ません…



娘はもう意識が朦朧としてるようでした。




朝に来た看護師さんが

「娘ちゃん。もうすぐ先生くるからね。」



と言っても机に頭を乗せて目を瞑り、頷く事が精一杯の様子…



時刻は朝8時を過ぎました。


先生まだかな…早く来て…




待っていると、夜間担当した看護師さんが来て娘に言いました。




「娘ちゃんは、どんな男の人がタイプかな?

主治医の先生かっこいいって人気あるんだよ!」




私は頭が??になりました…




娘の気を紛らわす為に言ったのかもしれません…


でも答えられる状態でないのは、見て分かるはず…




そして


「私、もう夜勤終わりで明日休みだからまた明後日会おうね!


来る時、飴ちゃん持ってくるからね。バイバイ」


と笑顔で帰って行きました。





…     …





そういえば前入院した時、娘と同じくらいの子供がいるって言ってたな…




本当に羨ましい…


今から家に帰れるんだ…


いいな、普通の生活…



羨ましい…羨ましい…





私の感情、精神状態はギリギリになっていて今にも溢れ出しそうでした。