わたしの家、といっても親兄弟と暮らしている実家にいます。
マンションの二階のフロアで、道路から直接階段でつながる玄関を開け、なかに入るとすぐ縦長の18畳ほどの部屋になっています。一歩入ると、窓辺や天井にオウムくらいの鳥が止まっているのや、箪笥とテーブルのあいだで犬か狼のような獣が何頭かゴロゴロしたり走り回ったりしているのに視線がいき、数歩入れば、動物たちのテリトリーに完全に踏み込んだことに気づきます。わたしたち家族は、ここでいろいろな動物を飼っているのです。玄関を背にした部屋の奥はロッカーのような家具が立て込んで、小動物たちが都合のよい隠れ家としているのですが、その先に薄暗い入り口がみえます。その向こうには、この部屋より一回り小さい部屋があり、さらにキッチンにつながっているということを、わたしは、多分、経験から知っています。
さっきライオンが逃げた。鳥をよけながら近づいてきた誰かが、そう言ったようです。
すぐに猟銃を持ったセコムのような恰好の男性が数人やってきました。ただでさえ家具の隙間を動物が埋め尽くしているところなので、部屋は一時的にぎゅう詰めになりました。
脱走したと言われているのは痩せ型のライオンで、自宅と周辺を透視すると、近所をうろうろしているのが見えました。彼はぼんやりして何も考えてないようです。これなら銃で撃たなくともほどなく捕まりそうでした。
気がつくと、わたしの後ろに、シマウマとカバがいました。彼らは、ライオンがこんなことをしでかすなら、カバに始末させようではないか、という考えでした。ちなみに、いま外にいるライオンのほかにも、うちにはライオンがいます。
見上げたときには、カバは、ライオンを、頭から丸呑みしていました。口からぷりぷりのお尻がみえ、後ろ足がだらりと垂れ下がっています。カバは、このお尻がね、う○こ臭くて嫌なんだ、う○こ臭いお尻は吞み込むの苦手だ、と声を使わずに伝えてきました。そのしゃべりっぷりからすると、カバがライオンを呑み込むのはこれが初めてではなく、前に(何度か?)呑み込んだことがあるので、ライオンのお尻は臭くて呑み込むのは辛いもんだとあらかじめ知っていたふうでした。
おら、ちょっと嫌だけども、呑み込むんだあ。涙をちょちょぎらせつつ、ライオンをお尻の先までどうにか吞み込んでしまうと、カバは、口から丸い玉をぽろぽろ吐き出し始めました。くすんだ肉色のドッグフードのようなものが、どんどん出てきます。それを、皿ですくって、そら、そこにあるベルトコンベアーに皿を乗せていくように、とカバは無言で指図します。
ライオンを呑んだカバ、というアニメチックなキャラだったはずですが、いまは何やら圧を感じます。周りを見回すと、コンベアーの下に捨て置かれたような古いプラスチックの深皿をみつけ、慌ててそれで床の上の玉をすくい、カバの口からこぼれ落ちる玉を受け止め、いっぱいになった皿を作動中のコンベアーの上に並べました。部屋の中に入るコンベアーは家内制手工業用とでもいうようなコンパクトなもので、皿は運ばれた先でどうなることもないのでした。つまり、これはカバのお遊びなのです。わたしはそれに付き合わされたわけです。
でも何度も言うようですが、ライオンを吞んだカバです。おとなしいようで、ちょっとこわい。それでわたしはカバの言う通りにしたのです。
いつの間にかシマウマはいなくなっており、その一角では、ベルトコンベアーのそばで玉を吐き出すカバとわたしだけが、窓を通して入ってくる午後の薄明かりに照らされていました。
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また、わたしは外出して天神(実家のある福岡の繁華街)にいた。
ベルサイユ風味の巨大商業施設。それは幹線道路から一本浜の方の大通りと渡辺通の交差点あたりにあり、2階部から大通りの向こう側へ渡る連絡路は、駅前でよくみるようにちょっとした広場になっている。のだが、その広場には、温水プールがある。
歩行者は、プールの端を歩くか、プールのなかを歩くか、泳いで渡る。そんなわけだから、目的の場所に向かってプールの端を歩くひともいれば、プールの端に腰かけ、足湯しながらブラブラしているひとたちもいる。この通路から施設にかけては、白亜の柱が並び、白と淡いブルーグリーンを基調としたイクスピアリのなれの果てのような風情なのだった。
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プールを歩いて出た先の、人淋しい駐車場の裏で、わたしは「仲間」とであった。
ここで会う約束をしていたわけではないようだ、というのも、いかにもばったり会ったというシチュエーションだったからだ。そして彼は、いかにも「仲間」という雰囲気で、急いでわたしに告げた。
32あったのが31になってる、と。
北朝鮮のミサイルあるいは原子爆弾が密かにひとつ使われようとしている。32個あったはずのものが、31個に減っていることが確認された、と。
これは大変、はやく伝えなければ。
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あほくさ。
と思って読むのを止めたひとが多かったでしょう。
ここまで読み進めることができたあなた、おめでとうございます。
何も出ませんが。。。
12月27日
夜半過ぎから満月の波動を採っていました。
夜明けの月は太陽とオーブ3度
うまく採れたことに安堵して、朝7時に布団に倒れこんだら、こんなめっちゃシュールな夢をみました。
満月時刻にみた夢(たぶん)。
本当の実家はマンションではないし、カバやシマウマやライオンを飼ったこともない。
本当の天神には、こんな商業施設いわんや屋外プールはない。
そしてわたしはじつは北朝鮮の武器を監視するスパイ・・・
夢の中では、それが現実なのでした。
七色の魔術師まーりん
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