夜の砧公園
「ブルベ記」第1話
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さあ、ブルベ記はじまり、はじまり
2011年1月18日深夜、
近所の砧公園(世田谷区)は真っ暗です。
昨日、44歳の誕生日を迎えました。
(いったい一人で何をやっているんだろう)と自問してしまいました。
最近はジョギングコースと併用になってしまった周回のサイクリングコースが森の中に続いている。
が、夜は真っ暗。
世田谷区、いや都内中で、夜間、照明がゼロでここまで真っ暗な公園、サイクリングコースはそうないでしょう。
ここはもともとゴルフ場だったほど広大。
で、照明がまったく届かない場所がいっぱいあります。
この森の中のサイクリングコースはまさにそう。
そんな真っ暗な場所に敢えて一人で飛び込んで、
いったい何をしているのでしょう。
「ブルベ」の練習をしているのです。
「ブルベ」。
この2011年の年明けに知ったばかりの、まったく未知だった言葉。
昨年9月、20年ぶりに、クロスバイクながら、都内サイクリストとして復活したばかり。
深夜や休日の朝、仕事・家事の合間に、嬉々として10~20キロの都心の短距離走を繰り返しているが、
このブルベなるスポーツ?イベント?ツーリング?アドベンチャーだろうか?
は、明らかに私の日常にはないジャンルです。
幸い(でもないか)、新しいクロスバイクがある。
(このクロスバイクっていう軽いイメージの合成語、じつは嫌いです。ほんとは本場の米国あたりでは「ハイブリッドバイク」って呼んだりするようなんだけど→http://www.raleigh.jp/InfoFAQ/080427_crossbike.htm )。
もっとも、
ブルベに挑むにはそもそもロードレーサーでなくていいのか、との自問も。
だが、「このあいだ新しい自転車を買ったばかりなのになぜ?」と、
うちの財務大臣(妻)の許可がどうしてもおりないのです。
だが、
遠い20年前の大学時代には、
当時、ほんとに最先端だったスコットDHバー付のファニーバイク、
レーパン姿で日曜の皇居周回などしていたのです。
それが今、
そのスコットの、クロスバイク(SUB40)に乗っている、というのもずいぶんと隔世の感ありですが、
まあ、いいです。20年間サイクリング無しのブランクは本当に大きい。
ほぼ「初心者がえり」しているわけですが、
自転車なら(電動アシスト以外)どんなタイプでも参加できるというブルベはいい。
このイベントの懐の深さ、偉大さを感じます。
だから、今ある道具でいい、というか、自分の道具で「新しいブルベ」を切り開いてみよう、と。
さて、
そのブルベに、「今、手元にある道具」で、「都合のいい予定の範囲内」で走れないものか、と気ままにネットで事務局のありかなどを調べはじめたら、
が、それは甘い夢であることにすぐ気づきました。
このブルベ、どうもここ数年で競技人口が増えてきているようなのです。
2011年会員の募集が締め切られていたのはもちろん
(ブルベの存在に気づくのが正月で、もう遅かったから)、
どこのブルベも(特に年始の200キロは)定員で一杯。
(最初から輪行で遠征するのもなんだしなあ)と、
多少気後れしはじめたのも事実です。
が、
2011年4月にオダックス西東京が主催する、町田を22時スタートするブルベ200キロは、定員にまだ余裕があるようで、まだ募集中だったので、先日ついに!ついに!申し込みました!!
ほんとは、より近所の、青葉の200キロから始めたかったのだが、
締め切られていて、もう遅かったから仕方ないです。
世田谷から町田のスタート地点まで走るのも、ちょっとしたサイクリングかもしれない。
しかし、
この22時スタートの町田発、山中湖往復のブルベ。
申し込んでから、いろいろ頭でイメージトレーニングしていたら、
200キロという短い距離でありながら、夜間走行であり、
初心者にはおそらく、かなりの高いハードルが待ち構えているのではないか、と思うにいたりました。
ネットリサーチでコース予想するも、
車で走ったことのある道がちらほら予想できる程度(え?山中湖に行くのに道志みちって?とか)。
もう申し込んでしまったが、
おそらく、この身震いするようなイメージ、不安感は間違っていないだろう。
元・サイクリスト、現・初心者にしては、よくそこまで気づいた、と思うほどです。
で、まずは、
ふだんは真っ暗だから、と敬遠していた夜の砧公園に、トレーニングに出かけることにした、というわけです。
前置きがだいぶ長くなりましたが、
ここ砧公園のサイクリングコース、昼は子ども連れなどですいすいとは走れないほどですが、
夜はいろんな意味で怖い道。
まず、コースは周回路だが、幅が狭く、くねくねしており、
乏しい照明で飛ばそうとすると、カーブですぐに路外に飛び出しそうになる。
ヘルメットのバイザーに試しでつけてきたミニLED照明をつけっぱなしにして、
手元のメーターを照らして読む。
時速25キロ以上だと、確実に暗闇のカーブでコースアウトしそう。
というわけで、時速20キロあたりが限界。
自宅からのアベレージ速度も、時速21キロ台に落ちてきた。
120ルーメンのライトを1個つけてきたが、
遠くを照らす1本と手前を照らす1本、
さらには、
曲がってゆく方向のカーブが見えるようにヘルメットにつけるライトの計3個が必要なのではないか、とすぐに思った。本番のブルベは公道だから、ここまで細くてくねくねとした道ではないかもしれないですが。
加えて、マップケースもはや用意してハンドルにくくりつけてきたのだが、くねくね暗闇サイクリングロードのカーブ区間では、ちょっとでも地図に目を落とす動作をとってみると、すぐにコースアウトしそうになる。
暗闇との闘いです。
古い舗装がおおいので、振動もすごい。
暗闇を疾走していると、あまりの振動に、何か装備が外れてどこかに落としてしまっているのではないか、と不安にもなる。
真っ暗な森の中で停車すると、乏しいLEDが足元を照らす以外、漆黒の闇。
森の向こうでは公園に隣接する東名高速を走る車の音はするが、あとは静けさのみ。
120ルーメンのライトも振動で取り付け角度がずれ、うまく前方の道路を照射しない。
このライトの付け直しをしていると、突然、隣の木の上から「ガサガサガサ」とものすごい音が。
(まさか都会の公園で猛獣はいないだろう)と思い直した瞬間、また「ガサガサガサ」。
何かが木を降りる気配が。
怖~~~~~!!!!
すぐにペダルに足を乗せ、サイクリングロードを再び走り出した。
(あのガサガサは、たぶんカラスだったのだと思うのですが)
本番のブルベでも深夜、こんな場面に遭遇するのだろうか。
というわけで、
暗闇のサイクリングロードを3周して、今日のところは引き上げました。
いくつか本番(といってもまだ先ですが)に向けて課題が見つかりましたが、
やはりこうしたテスト走行はやっておいてよかったです。
なにせ、これから初めて迎えるブルベは、いきなり夜間スタートなのですから。
どうなることやら。
※以下、写真はなんとなく準備を始めて姿が変わってきたわがバイク。
装備のことなどはまた次に。
スコットSUB40。これでブルベに?
まあ、いいでしょう。こんなのがいても。
タイヤは25Cに交換してあります。
付けたり外したり、、、、、。
200キロではなく、それ以上の距離を今後走ることを視野に、装備を考えたい。
ドロップハンドル車への乗り換えも選択肢だが、
このSUB40のフレームが基本的にスピードスターと同じ、
ということを考えれば、ちょっともったいない。
このフレームでドロップハンドル+STI+ショートアーム型のVブレーキ、という選択肢もありえる。
が、初回の200キロには、敢えてこのハンドル(ライザーバー)で臨んでみたい(一応、今のハンドル、RACEFACEのカーボンだし)気はするが。
(上のほうの小さいのはご愛嬌、でも馬鹿にはできません)
オシュマンズの山岳コーナーで購入。
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