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Wind Walker

ネイティブアメリカンフルート奏者、Mark Akixaの日常と非日常

 

気仙沼には、なにもしない課の支部がある。

 

 

説明しよう!

右が支部長、左が副支部長である。

ちなみに左右入れ替えた場合でも、右側にいるものを支部長とする。これは見分けがつかないため、やむを得ず取られた処置である。(ラブ課長談)

知恵の三つ編み

 

『知恵の三つ編み』 ポーラ・アンダーウッド著 1998年

 

 

先日のベスト10にも選出した名著『一万年の旅路』の著者の本。

 

幼い頃から民族の一万年の記録を頭に入れるトレーニングを積んだという著者でしたが、本作では新たな三つの短い物語を披露して、「物語からどのように学びを得るのか」という方法論が語られます。

 

前半では父から聞いた「一つは体のため。一つは心のため。一つは魂のため」という三つの物語と、それを聞いた子供時代の著者と父との対話。

 

後半は、「学ぶとはどういうことか」について。学びとは暗記することではなく、自分の左脳で考え、自分の右脳でイメージすること。一族ではものごとを三度、三つの違う言い方で語るといい、左右の耳とハートに一度ずつ、最初は知性に訴え、二度目はイメージを喚起し、三度目はその両方の組み合わせで表わす意味があるのだそう。

 

 

「三つの物語はどれも歴史的な事実にもとづいていますが、聞き手を勇気づけ、新しい学びの起こるゆとりが生まれるよう、それぞれいくらか脚色と仕掛けがなされています。」とのことで、『一万年の旅路』もきっと語り手が一語一句暗記した文章ではなく、自分のイメージで捉えたものを語っていたのだろうなと思いますし、それによって正確さは失われるものの伝えたいことの本質は生き残り続けてきたのだろうと思います。

 

あの本の正確さ(この記述は一族がどの地域にいた時の話なのか)を検証する記述にかえって疑似科学的な胡散臭さを感じていたのですけれども、物語全体を通して「人々がいかに学びを大切にしてきたか」を伝えていることが、きっとイロコイの人々だけでなく人類はそのように進歩してきたのであろうと感じられるところが良かったのです。

 

というわけで、本作は『一万年の旅路』を読んだ方の理解を深める補足資料としてオススメです。

 

 

「私にとってインディアンであることの本質は、宇宙を一つの全体性として理解することだといえます。あらゆる場面があらゆるほかの部分と全面的に関係しあったものとして理解するのです。」(P.248)

 

 

 

 

 

 

小さな国の大いなる知恵

 

『小さな国の大いなる知恵』 ポーラ・アンダーウッド、星川淳  共著 1999年

 

 

ついでにポーラ・アンダーウッドさんと、『一万年の旅路』、『知恵の三つ編み』を翻訳した星川淳さんの共著も読んでみました。

 

前半はポーラさんが書いた、イロコイ族長スケナンドアとベンジャミン・フランクリンの知らざれる友情について。

 

イロコイ連邦の民主的なあり方がアメリカ合衆国憲法に影響を与えたという話は以前から知っていましたが、先住民と親交のある人物がいてこそだった話は初耳でした。

 

後半は星川さんのイロコイ訪問記。

 

前半部だけでは一冊の本としてページ数が少なすぎたので共著という形をとったと正直に書かれていました。つまり後半はカサ増しのために書かれたということになりますが、イロコイの民主制の創始者、「ピースメーカー」の物語が読めるのは極めて貴重なので、ここだけでも読む価値は十分にあります。