Wind Walker

Wind Walker

ネイティブアメリカンフルート奏者、Mark Akixaの日常と非日常


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日付は変わってしまいましたが、本日8月24日に二子玉川のGemini Theaterにて4人編成ライブ「バッファローの吠える月」を開催いたしました。

 

5年ぶりに4人編成バージョンの「エルクドリーマー」を演奏したり、宮沢賢治の朗読をしたり、ディジュリドゥーを吹いたりといろいろなチャレンジを盛り込みつつ楽しみました🦬

ディジュリドゥーはアボリジニに伝わる世界最古の木管楽器



ご来場いただきました皆さま、共演者の皆さま、関係スタッフの皆さま、ありがとうございました!

 

 

 

Set List

 

 1.イーグルソング

 2. こころの原風景

 3. たくさんの冬

 4. アメイジンググレイス

 5. 光の精霊たち

 6. 迷路の中の男

 7. サザンクロス

 8. Inner Truth

 

 9. よしうらけんじソロ 〜バッファロー幻想

10. ヤキ族の鹿踊り

11. 太田光宏ソロ 〜コンドルは飛んでいく

12. エルクドリーマー

13. トウモロコシの乙女

14. 夜の火の月

15. ラコタ族の子守唄

Encore. ワタリガラスのうた

 

 

4人編成版「エルクドリーマー」の動画ともっと多くのライブ写真をInstagramに載せましたので、よろしければご覧ください🦬

 

 

 

本日は24日土曜日に開催するライブ「バッファローの吠える月」のリハーサルを行いました。

 

チェロの穴田貴也さんを加えた4人編成のライブを年に1回、毎年8月に行なっていて、そこでは普段のライブ以上にスペシャルな何かを提示したいといつも考えています。

 

昨年ニューアルバム『WINDWALKER』をリリースしてからそのアルバムの曲を演奏することが多かったですし、その中でも同じ曲をチョイスして演奏する機会が多かったので、今回のライブでは最近あまり演奏する機会のなかった曲にスポットを当てた選曲にすることにしました。

 

毎回、当日まで何が演奏されるのか分からないことがほとんどだったと思いますので、演奏予定曲を先に載せてしまうと、

 

 

イーグルソング

トウモロコシの乙女

Inner Truth

アメイジンググレイス

コンドルは飛んでいく

ラコタ族の子守唄

光の精霊たち

迷路の中の男

たくさんの冬

エルクドリーマー

ヤキ族の鹿踊り

サザンクロス

こころの原風景

夜の火の月

バッファロー幻想

(曲目は予告なく変更される場合があります。)

 

 

つまり、私の今までのディスコグラフィーすべての中からのベスト選曲となっています。

 

常連の方にも初めて私のライブに来る方にも楽しんでいただけるように努めますので、どうぞお楽しみに!

サマータイム (新潮文庫)

 

『サマータイム』 佐藤多佳子著 1990年

 

 

ちょっと前に知って面白そうと思いましたけど、夏になってから読もうと思って取っておいたのですよ。

 

夏になってからもしばらく忘れていたのですが、ギリギリ思い出しました。読んでみたら夏休みが終わる頃の話だったので、これから読んでちょうど良いくらいです。

 

 

11歳の進と1つ年上の姉の佳奈、そして13歳の広一の3人が織りなす、ひと夏の友情と恋心の物語。

 

広一は事故で片腕と父親をなくし、ジャズピアニストの母親・友子と2人で暮らしています。タイトルの「サマータイム」は友子の得意とする曲で、広一にとっても特別な曲でした。

 

 

「もともとはガーシュインのオペラの曲で、黒人の子守唄なんだけどね。サラ・ヴォーンやジャニス・ジョプリンが歌うといいよねえ」(P.30)

 

 

はじめ進と広一が仲良くなりますが、右手でしかピアノを弾けない広一は常に伴奏者を求めていて、多少ピアノが弾ける佳奈と親密になります。そんな2人を複雑な心境で見守る進でしたが、突然広一が引っ越すこととなり・・・というお話。

 

一気に時間が飛んで、進が17歳になったエピローグでは3人が再び顔を合わせ、これ以上に完璧なエンディングってある? と言いたくなるような爽やかな幕切れを迎えます。

 

わずか50ページ足らずのこの1編だけで大満足でしたけど、この作品は4つの短編で構成されているのです。

 

2編目の「五月の道しるべ」は小学生になったばかりの頃の佳奈が主人公。続く「九月の雨」は16歳の広一によって「サマータイム」で語られなかった時間の空白を埋めます。最後の「ホワイト・ピアノ」は同じく佳奈の時間の空白の物語。いずれも各キャラクターの心の成長を描き、「サマータイム」のエンディングの余韻をさらに補強しています。

 

物語の中でいくつかジャズの名曲の名前が重要なファクターとして登場するので、YouTubeなどで探して聴きながら読むともっと没入度が高まります。今後の人生で、特に「サマータイム」を耳にしたら間違いなくこの作品を思い出すことになるでしょう。

 

 

音楽にまつわる物語はわりと好んで読んでいますけど、また新たに特別な一冊となる本と出会えました。登場人物の全員に好感が持てるのも◎。

 

夏が終わる前に読むのがオススメです🎵