変な話ですが、あるタクシーの運転手さんのお話 | 経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

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経営コンサルタントが語るビジネス情報。医療機関の医療コンサルティングにまつわる「ここだけの話」や、最新ビジネス事例について解説。

昨日、深夜タクシーを止めようとして夜の街を徘徊しておりました。

あいにく、御用納めの日であり街にはサラリーマンがウロウロしておりました。
 
六本木の交差点でタクシーを止めようとしている人々がすでに30名くらい。
これは止められないと、赤坂方面へ向かいます。

すると既にタクシー待ちの方がチラホラ。
私たちの後を追いかけるように数組の団体もこちらに向かっております。
 
さて、早く拾わないともう帰れないなあ。
 
ちょうど空車が来ました。

「すみません、神奈川方面お願いできますか?」
 
なにげないこの一言がきっかけとなって、タクシーの運ちゃんの話が始まります。
 
実は、運転手さんに褒められたのです。

降りるちょっと前にこう言われました。

「お客さん、育ちいいでしょ」

「そんなことないよ」

「俺たちの客商売だけど、車に乗せる時に、これを見てるんだ。目つきと、最初の言葉何を言うのか」

「はあ」

「目つきは、やっぱり人を表すんだ。やーさんとか、やっぱり凄い目つき悪いだろ」

「そうですねえ」

「そのあと、何ていうのか聞いているんだ。この言葉で大体どんな奴か決めている。お客さん何て入ったか、覚えていないでしょ。」

「そうですね、すみませんでしたっけ」

「いやいや、お客さんね、どこどこお願いできますかって言ってたんだ。そんな風にいう人は少ないね。」

「そうですかね。」
実際何ていったなんか、覚えていません。

「言葉ってね、どうしても出るんだ。言葉の一言一言の中に横柄な態度が出たり、汚い言葉が出てくるんだよね」

「ふーん」

「だけどね、お願いできますかなんて言ってくるお客さんなんていないよ。どこに行ってっていうお客さんは多いけどね」

「はい」

「だからね、今日、俺凄くしゃべっているでしょ。あんまり気にいらないお客とはしゃべらないだ。
 その中でもお客さん、しっかり受け答えしているし、冗談も交えているし、これはね、親の躾じゃなくて、あなた自身を褒めた方がいい。
 単に育ちがいいから、親を褒めるけど、それをしっかり受け止めているのは自分自身なんだから、自分を褒めてあげなくちゃ。」

「ありがとうございます」

「俺たち、結局お客さんを選ぶことはできないけど、ちょっとした気遣いで全然対応が変わっちゃうんだ。人間だしね。だけど、こういう気遣いって学んでできるもんじゃない」

「貧乏ゆすりをやめろって、30歳くらいの人に言っても、本当にやめることができるためには、30年かかるっていうじゃない。
 だから、育ちって大変なんだよ。小さいころから身に付いたことって変えられないんだよね」

褒められたことがうれしいのもあるのですが、もの凄くタクシーの運転手の方の話に感銘を受けたのです。
私タクシーの運転手さんの話って結構聞いてしまうんですよね。

仕事柄、タクシーはかなり乗りますが、いろんな人がいて面白い。

特に街の流行や、夜の人の流れとか聞いていると参考になることが多いんです。
それと、このコンサルタントって仕事は、人の話をしっかり聞けるかどうかで仕事の質が決まります。

いかに人に楽しく話しをしてもらうかっていうことも、コンサルタントスキルだと思う私は、タクシーの中でも日々努力しているのです。

そんな話よりも、この運転手さんの話は本当に的を得ていると思います。

仕事柄、毎日違うお客様を乗せています。

その毎日の経験が生んだ言葉です。

 ・言葉遣いで、人はわかる。

 ・どうしても、隠せない一部分がある。

褒められたのがうれしくてその話が中心みたいになりましたが、そうではありません。

人って、もの凄く人を見ているのです。

タクシーに乗る側には、短時間ですが、その短時間に見られています。
そんな時間なんてたいしたことはないかも知れない。
しかし、その中でこのタクシーの運転手さんは判断をしている。
その人たちの人物判断眼をどう見ますか?

怖いような、変に納得してしまうような、皆さんはどう思いますか?


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