外国人入国で虚偽の契約書提出か 入管業務担う派遣会社
https://news.yahoo.co.jp/articles/0a3ce0c108390fbc8e3b374a8f4c350e2702bade
この問題のポイントは2つ。1つは偽造の雇用契約書が作られたこと。2つめは、外国人労働者の人材派遣を行っている会社が、入管業務(窓口)を行っていたこと。それぞれ解説しますね。
雇用契約書の偽造で1番多いのは、給料が月給制か時給制かです。技人国の申請にあたって、給料は月額いくらの提示。東京出入国管理局においては、月額最低18万がベースとなります。ですが、実際は日本に来てから時給に切り替えます。派遣会社からすれば、日本人労働者が時給で働いているのに、わざわざ外国人労働者に月給制を導入することはあり得ません。給料の計算も難しくなりますし、受入れ会社から派遣単価でお金をもらっている以上、時給にするのは当たり前って言えばその通りです。
そもそも技人国で入る外国人は高度人材の部類にあたるため、正社員で雇用することを前提に在留資格が設定されています。派遣会社に入り、そこから会社に派遣されることは想定されていなかった。この技人国の許可要件を見ると、そんな感じがします。
そして、次に多いのは、職務内容。いわゆる「なんちゃって技人国」です。エンジニアと言いながら、実際行っているのは機械オペレーター。高度人材というよりも、職人さんの域。最初この技術の在留資格ができたとき、更新ができる技能実習生として営業した輩がいるので、勘違いしている会社も多い。技能実習生よりも頭がいいので、仕事は覚えるし、へたな日本人よりも仕事ができるので現場としては重宝されています。通訳として採用され、ずっと工場のライン作業で仕事をしている人も多く、残業もそこそこあるので、労働者は誰も文句は言わない。だから表面化されないケースがほとんどです。
正直言って、こんな雇用契約書の偽造、どこの派遣会社もやっております。大企業ならいざしらず、中小企業で日本語もろくにわからない技術者を雇うほど、そんな余裕があると思いますか?外国人の単純労働者を雇えないから、何らかの形で法の隙間をぬって入れ込んでいるのが現状ですよ。入管が知らないとは言わせませんよ。
もし本当に摘発したら、日本にいる技人国の80%はアウトです。製造業は軒並み人手が足りなくなって壊滅でしょう。コロナ禍と同様の大打撃になることは間違いありません。
ここにも技能実習制度と同じ矛盾を抱えたまま、運用されている実態があるのです。
「移民を受け入れない」という国是によって、生じる矛盾。法のゆがみ。
さて、もう一つ、外国人労働者の人材派遣を行っている会社が、入管業務(窓口)を行っていたこと。これは別の意味での問題もあります。
私は裁量権のある役所では、たとえ窓口であっても民間の派遣会社を使うことには反対です。今まで問題にならなかったこと自体が不思議です。これも緊急財政による削減なのでしょうが、書類の偽造を平気で行う派遣会社が、入管業務担っていたなんて、本当に大丈夫なのと言いたくなります。
まあ、これを機に派遣会社の入替は発生しますが、窓口業務は相変わらず外部委託のままいくでしょう。何かおかしくありませんか?