どうして「技能実習」の職種拡大と規制緩和で外国人材の入れ込みをすればよかったものを
あえて「特定技能」を新設したのか、ずっと私は疑問を感じていました。
最近になって、なんとなくその理由がわかってきたような気がします。
今年の初めに「コンクリート製品製造業」という新しい職種でのパブリックコメント
が出ました。そして、平成31年4月26日の技能実習評価試験の整備に関する専門家会議の
場で、上記の職種追加が認められました。少なくとも2〜3ヶ月のうちに、職種追加として
発表されると思っていたのですが、なんと11月になっても職種が追加されない。
どうなっておるんじゃい!
最近職種について、結構うるさくなっているので、できればコンクリート工場には
ぴったり当てはまるコンクリート製品製造業で入れ込みたいのですがね。
と思う監理団体は少なくないでしょう。
こういうときは、しっかり賛助会員費を支払っているJITCOさんに話を聞くのが良いと
思って電話して聞いてみると、どうして遅れているのかはわからないと言いながら、いろいろと
職種追加について教えていただきました。
以前はJITCOさんも職種追加のお手伝いをしていたようで、通常5年はかかるそうです。
あの惣菜製造業も実は10年かけて、評価試験の構築を行ったという話を聞いたことがあります。
割と職種追加は簡単に考えておりましたが、技能実習評価試験を作り上げるには、業界が
よほどしっかりがんばらないと、なかなかできないものなのだということが、今回の
コンクリート製品製造業でもわかると思います。
さて、技能実習として職種に加えるためには、
- 送出し国へ行き、追加する職種はその送出し国にとって必要なのかどうか、一般的な現状及び課題を把握。
- それからどういう実習が必要となるのか。
- 単純作業に該当するのか、技能として十分認められる作業かどうか。
- 審査基準の構築
- 技能試験の概要、基礎2級、随時3級、2級の合格レベル
- 全国で試験を行うための制度設計 などなど
ザッとあげただけでもこれだけあります。
やはり技能実習とうたっている以上、形はしっかり作らなければなりません。
これを○○協会が作るわけですから、簡単にいかないのは十分理解できます。
それも今人が足りないと言われているのは、なかなか技能実習にはなじまない業界が
多く、いくら技能実習法や機構まで作り、制度の拡充を図ったとはいえ、技能実習
ではまかないきれないと考えるのも仕方ないのかなと思います。
そもそも技能実習はものづくりであり、サービス業には向きません。
宿泊業も技能実習の職種に加えるべく、現在奮闘努力中でございますが、そう簡単に
追加にはならないので、「特定技能」での受入を検討された方がよろしいかと思います。
やはり「技能実習」での外国人材の活用には無理があります。
国としては、「特定技能」への切り替えを考えていると思いますので、多少時間が
かかっても、この「特定技能」をしっかり制度として作り上げていくと思われます。
時代は今、「特定技能」ぜよ。
by マリウス